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公売オークションに“萌え萌え出品”登場の舞台裏

2007年04月17日 22時00分更新

文● 松本佳代子

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――出品することに、小樽道税事務所としては抵抗はなかったのですか?

「全国の市町村でいろんなものが出品されてますので。売れるかどうかは不安はありましたが、前回でうまくいったので今回も期待してます」

 “全国のいろんなもの”と萌え系フィギュアを一緒に扱うところが、なんとなく潔い。

 しかも、前回4セットで今回は10セットという規模の広がり方が、庶民的で良いではないか。


――このフィギュアのマニア的価値をご存知だったと?

「私自身がマニアというわけではありませんが、ネットで調べたり文献で調べたりして、いけるんじゃないかと」

 文献? 萌え系フィギュアを調べる“文献”ってなんなんだろう? 納税第一係特製の萌え系フィギュア(秘)資料があるのだろうか。その資料で勉強して、綾波レイのフィギュアに「着せ替えOK!」や「オカルトマニアのえみりゅん」などという枕詞をヤフオクのページに付けたというのだろうか? いやいや、そんなことはあるまい。


――以前から、ご存知でしたか?

「ゲームはやったことはありませんが名前は知っていました。エヴァンゲリオンは見ておりましたから、どんなファンが付いているかも大体はわかってます」

 ほうら、エヴァは見ていたそうです。亀本係長は、アニメ好きなのでしょう、きっと。

 ところで、編集者Qと話題に出た“寒い地方にはオタクが多い説”を、亀本係長に聞いてみた。


――小樽にはマニアが多いのでしょうか?

「そんなことないと思いますよ」

 ちょっと遠慮がちな返事だったので、さらに突っ込む。


――他の街に比べては?

「そんなことはないですね」  きっぱり、否定されてしまった。

 ちなみに、ネット公売での落札金は税金へ廻されるので、高く落札されるほど滞納者の残金も減り、小樽市も徴税が進み、みんながハッピーになれるのだそうだ。興味のある方は、参加してみてはいかがでしょうか。

 人の役に立つと考えれば、普通のオークションよりクリックする指も軽くなるはず。どうしても商品を見たいという人は、事前予約をすれば5月1日までの平日午前8時45分から午後5時半まで、下見が可能とのこと。場所は小樽道税事務所なので、行ける人は限られてくるとは思うが。

ネット公売は一般オークションと異なり、まず参加申し込みを行なってから後日入札を行なうルール。今回は5月1日午後5時までが参加申し込み期間で、入札期間は5月8日午後1時から10日午後1時まで。落札フィギュアは、基本的に小樽道税事務所での引き渡しになるが送付も可能だという。

――最後に、亀本さまの下のお名前を教えてください。

「タツヤです。和也・達也の『達也』です」

 って「タッチ」かい!

 やっぱり、亀本“達也”係長はアニメ好きに違いない、と確信した瞬間だった。

 そうそう、最後になったが、今回のフィギュア出品は決して亀本係長個人の趣味ではなく「注目度を上げる意味で、今回はがんばっていろいろ出してみました。今後もネット公売を、他のオークションと同じように注目していただいて買っていただければ、滞納を圧縮できますので」と、あくまでも任務を遂行しているまでのことだ。

北海道後志支庁小樽道税事務所納税課第一係亀本達也係長、お忙しいところお時間をいただきありがとうございました。少しでも高いく落札されることを見守っております。

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