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大型連休は上野の森で、科学の目で日本を再発見、な~んていかが?

ITをたっぷり取り込んで生まれ変わった“かはく”日本館を一足先にプレビュー!!

2007年04月15日 05時32分更新

文● 千葉英寿

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●ケータイサイトや専用PDA、情報端末などのITを駆使して多角的に解説

展示解説を聞ける専用PDA

場所ごとに展示解説を聞くことができる専用PDA。首からぶら下げて操作する

同館では、ITの効果的導入として、さまざまな端末による展示情報を提供している。コーナーごとに展示内容を示す情報端末を設置し、詳しい説明や個々の展示物の解説などを提供している。日本語の一般解説のほかに、子ども向けの解説や英語/中国語/ハングルの外国語での解説も用意されている。また、同館の解説者がナレーションする音声と文字情報を提供する専用PDAも有料(300円)で貸し出されている。最近、こうした音声情報端末としてiPodやPSPを使った試みがなされているが、同館では専用PDAを使用している。実際に使ってみたが、若干筐体が大きめで大人でも操作に手間取るのは残念なところだった。

今回からお目見えしたのが国立科学博物館の“ケータイサイト”だ。コンテンツは利用案内や常設展、イベントなどの案内はもちろんだが、館内各施設の混雑状況をリアルタイムで配信するサービスも組み込まれている。普段(常設展)はゆったり見学できる同館だが、例えばこの時期のように遠足や修学旅行生の団体がひっきりなしに来場する時期や、2006年の“恐竜博”のように数万人の来場者があって入場制限があった、特別展のようなイベントがある時には、入場まで数時間待たされたり、レストランに入ってもなかなか食事にありつけないこともあったという。こうした際の混雑状況が携帯電話機であらかじめ分かるのは、利用者にとって大変便利なサービスと言えるだろう。

ケータイサイトのトップページ

今回から用意されたケータイサイトのトップページ

混雑状況案内

ケータイサイトで“混雑状況案内”を参照したところ

この混雑状況のサービスについては、地球館前設置した電子ペーパーディスプレイ(1100×800mm)に情報を表示する“電子ペーパー実証実験”が、NECネッツエスアイ(株)の協力によって今年の5月31日まで行なわれている。ケータイサイト向けに配信された情報を電子ペーパーに接続されたPHSルーターで受信し、これを表示する仕組みだ。
同社担当者によれば、技術検証の現段階では、電子ペーパーの筐体とは別に制御用パソコンなどの機器の電源確保の必要があり、1時間あたり6wほどの電力が必要となるが、今後は組み込み式にすることで1W程度での動作が可能になるという。今回使用している電子ペーパーの解像度があまり高くないのは、大型ディスプレーを想定して開発されているためで、担当者によれば、今回の実証実験を通じて将来的には同館入り口に大きく掲出する電子ペーパーの導入を目指すということだ。

地球館前に設置された電子ペーパー

地球館前に設置された電子ペーパー。下の台車部分には制御用PCやコントローラーが準備されている



●科学好きなら、年間パスポート“リピーターズパス”がお得

さまざまなサービスを用意して新たな門出を迎えた同館だが、料金面でのサービス改善として、年会費1000円で何度でも入場できる“リピーターズパス”が新たに登場した。特別展や館内のレストラン、ミュージアムショップでの割引もあるとのことで、入館料600円を考えれば、2度の来場で元が取れる計算となり、かなりお得だ。

取材後に、現在開催されている特別展“花 FLOWER”の入場を呼びかける呼び込みを熱心に繰り返すスタッフの姿を目にした。これも独立行政法人としての営業努力と言うことだろう。スタッフの応対も心なしか丁寧で親切な感じがするのは、ただの思い過ごしでもなかったと思われる。興味深い展示内容を提供するだけでなく、素晴らしい展示空間と気持ちのいい見学環境を期待して、今度のゴールデンウィークに出かけてみてはいかがだろう。新緑眩しい上野の森もきっと歓迎してくれるだろう。

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