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ケータイやパソコンの外装に採用することで小型・軽量化に期待

NEC、ポリ乳酸樹脂でステンレス以上の熱伝導性を持つバイオプラスチックを開発

2007年04月09日 19時28分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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日本電気(株)は9日、植物由来の樹脂を用いてステンレス以上の熱伝導性を実現したという“高熱伝導性バイオプラスチック”を世界に先駆けて開発したと発表した。従来のポリ乳酸樹脂より熱伝導性が高いことから、放熱用の金属素材や部品を省略できるため、小型電子機器(携帯電話機やノートパソコンなど)の小型化、軽量化に貢献できると期待されるという。

高熱伝導バイオプラスチック NECが開発した、高熱伝導性のバイオプラスチック

同社が開発した新素材の特徴は以下の通り。

  • トウモロコシなどを原料にした植物由来樹脂“ポリ乳酸樹脂”に特定の繊維長の炭素繊維と独自開発の結合材を添加・混合して、炭素繊維を樹脂中で結合させた網目構造にして熱伝導性を向上。特に金属では垂直方向に伝導しやすく、平面には伝導しにくい特製があるが、平面方向への伝熱性を実現
  • 炭素繊維を除き、結合材を含む大部分(90%以上)が植物由来原料で、高い環境調和性を実現
  • 電子機器の筐体(外装)に利用する上で必要な強度特性や成型性も実証済み

同社の調査では、炭素繊維を10%添加することでステンレスと同等、約30%添加することでステンレスの2倍の熱拡散性が得られたという。また、金属の場合、熱源から垂直方向に熱が多く伝わるため、一点が極端に熱くなってしまい、放熱の拡散のために部品が必要だったが、新素材では炭素繊維の網目に沿って熱が水平方向に広がるため実使用上の不快感が起こりにくい。

従来のポリ乳酸とステンレス、および新素材の熱伝導性の違い 従来のポリ乳酸とステンレス、および新素材の熱伝導性の違い

具体的な耐熱性や強度の数値などは公開されていないが、同社によるとポリ乳酸樹脂が耐久温度が70℃程度までだったのに対して、新素材はそれ以上の温度に耐えられること。また、炭素繊維が網目状に混合するため、曲げ強度も向上するとしている。

同社では2008年度内を目標に、この新素材の量産化など実用技術を仕上げ、電子機器の筐体などへの利用を進めるとともに、電子機器以外の応用分野の開拓を進めていくとのこと。

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