英EMI Groupと米アップル社は2日(現地時間)、EMIの本社があるイギリスのロンドンで、記者会見を開き、DRM(著作権保護)なしで、従来より高品質な音楽コンテンツの配信を5月から行なうと発表した。
この音楽コンテンツが最初に販売されるのは、米アップル社が提供する音楽配信サービス“iTunes Store”で、DRMなしでかつ従来の倍のビットレート(256kbps)のAACファイルとして提供される。価格は1.29ドル/1.29ユーロ/0.99ポンド。同ストアーでは、従来と同じ品質でDRM付きの楽曲も、0.99ドル/0.99ユーロ/0.79ポンドで継続して販売する予定だが、すでに通常品質+DRM付きでコンテンツを販売したユーザーに対しては、1トラックあたり0.3ドル/0.3ユーロ/0.2ポンドで、アップグレード可能とする。アップグレードは、iTunes上でワンクリックするだけで可能だ。
アルバムに関しては、自動的に高ビットレートかつDRMなしの状態での提供となり、価格も据え置き。映像コンテンツに関しても、料金変更なしにDRMなしのものを購入できるようにするという。音楽に関しては、iTunes Storeで販売されているEMIの楽曲すべてが、DRMなしの状態で購入可能になるという。
合わせて、EMIはMP3、WMA、AACの各形式でiTunes Store以外の音楽配信サービスに対しても楽曲を提供する計画があると発表した。ただし、定額制の配信サービスやユーザー間で楽曲を共有できるサービス、有効期限付きの配信に関しては、当面DRM付きの状態での販売に限定するという。
なお、国内での展開に関しては、未定。