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【レビュー】フォトビューアー機能を強化したユニークデジタルカメラ

Cyber-shot DSC-G1

2007年04月05日 18時00分更新

文● 行正和義

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ソニー(株)のCyber-shotの新シリーズである『Cyber-shot DSC-G1』は、“写真を撮影する”という以上に、“写真を貯めて見る”ことに大きな比重を置いた、新しい思想のデジタルカメラだ。

ソニー Cyber-shot『DSC-G1』

ソニー Cyber-shot『DSC-G1』

最近のデジタルカメラは、低価格・入門機で2インチクラス、メインストリームの製品では2.5インチクラスの液晶ディスプレーを搭載。“大型液晶搭載”を謳うものでは、3インチ液晶ディスプレーを採用するといった状況にある。G1はデジタルカメラとしては最大級の、3.5インチ液晶ディスプレーを装備。しかも、ほとんどのデジタルカメラが23万画素(低価格機では11万画素)程度の表示解像度なのに対し、G1の液晶は92.1万画素、VGA(640×480)相当の表示が可能で、表示できるピクセル数は約4倍となっている。

スライドを展開した背面

スライドを展開すると操作パネルが現われる。右側面、特にスティック部分は大きく盛り上がっている。画面は撮影状態でメニューを表示させている。T100などと同様の縦表示メニューながら、高解像度液晶ディスプレーに合わせて、細かな文字表示となっている

スライドを閉じた背面

スライドを閉じれば背面のほとんどが液晶ディスプレーになり、まるでPDAのような印象だ。写真の再生も高精細な液晶ディスプレーによって、デジタルカメラとは思えないほど鮮明

撮影時の本体前面

撮影時の本体前面。中央に近い位置に屈曲光学系のレンズが現われる

スライドを閉じた状態の前面

スライドを閉じた状態の前面。正方形に近い形状で意外と持ちやすい

大型液晶ディスプレーを搭載したため、Cyber-shotのコンパクト機としては、ボディーはかなり大きめのデザインとなっている。特に高さは55mmのT9と比べて、71.7mmとかなりかさばる印象となった。このため、サイズを小さくする工夫として、ボディー自体がスライドして、スライド部の裏に操作系が並ぶという構造が採用されている。本体上部のロックスイッチを押すと本体のロックが外れて左右に開き、さらに両側に引くとレンズが露出し、同時に撮影モードで電源が入って撮影可能となる。撮影時は横幅にして10.5mmほど広がるわけだが、スライド部はレンズカバーとしての働きに加えて、背面に操作系を露出させる役目を担っている。スライドを閉じた状態の背面は、ほぼすべて液晶ディスプレーとなっているのだが、スライドを展開させるとズームスイッチを含む操作パネルが現われる。

本体上面

中央のスライド(OPEN)を右側に引くことで、スライドのロックが外れる。スライド操作が撮影モードの電源オン/オフも兼ねるが、再生モード用には別に電源スイッチがあり、電源オン時にはLEDが点灯する。スライド内の上面にはステレオマイクも備えている

操作パネルには、ズームと撮影、再生のボタンに加え、フラッシュモードやマクロ、削除、セルフタイマーなどのキーが並ぶ。フラッシュモードやマクロなどの機能は、従来のT9ではメニュー操作を行なう十字配置のキーに割り当てられていたのだが、本機ではそれぞれ独立したキーとなっている。というのも、十字キーは本体側面のスティック型キーに置き換えられているため、側面スティックにさらに機能を割り振るよりも、独立させたほうがよいという配慮だろう。

本体左右側面

操作部は右側面(写真右)に集中している。左側面にはイヤホン端子が設けられているほかは、USB端子もDC入力も本体には持たない(クレイドルに装備)というのが斬新だ。スティック操作などの邪魔にならないように、右下前面にストラップ取りつけ具が配置されている

側面にはスティックに加えてDISP、BACK、MENU、HOMEのキーが並ぶ。DISPやMENUといったキーは、T9の背面に付いているものと同様で、HOMEも『Cyber-shot DSC-T100』から新たに採用された、新メニューシステム用のキーと同様の機能を持つ(メニュー自体はT100とは異なる)。つまりキー類の配置や基本操作は、ほかのCyber-shotと変わりない。撮影画像の閲覧やメニュー表示といった撮影以外の操作は、スライドを閉じたまますべて行なえるようになっている。

カメラ機能はCyber-shot Tシリーズなどでも使用されている屈曲光学系+シフトレンズ、光学式手ぶれ補正付き光学3倍ズームレンズで、撮像素子は1/2.5インチ有効600万画素である。カメラ機能としては、『Cyber-shot DSC-T9』に相当する。ただし、内蔵する画像処理エンジンの変更などにより、T9では最高ISO 640だった撮影感度は、最高ISO 1000相当にアップしている。

また、メモリースティックDuoスロットとは別に、内蔵フラッシュメモリーだけで2GBもの容量を搭載。さらに無線LAN機能も装備するなど、機能は非常に豊富だ。

本体および付属品

本体および付属品。クレイドルは液晶ディスプレー面を手前にして置くフォトスタンド的に使える。クレイドル経由でパソコンとのUSB接続や充電、AV出力を行なえる

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