ヤフーは、4月1日に「Yahoo! JAPAN研究所」を設立することを発表した。Yahoo! JAPAN研究所ではインターネットと社会の関係性やインターネットの可能性を調査・研究し、インターネットの健全で豊かな発展に寄与することを目的とする。
10年後のインターネットの世界を予見するYahoo! JAPAN研究所
ヤフーはYahoo! JAPANは、4月1日に「Yahoo! JAPAN研究所」を設立することを発表した。研究所長には井上雅博ヤフー代表取締役社長が就任し、最高技術責任者として、慶應義塾大学環境情報学部教授、村井純氏を迎える。
Yahoo! JAPAN研究所はYahoo! JAPANの一事業部として、利用者にとってよりよいインターネットの未来を開拓し続けるための知識基盤形成を目的とする“利用者のニーズ”と、技術の進歩やインターネットのさらなる可能性を創造し、次世代インターネット技術の研究を行なう“技術的なシーズ(種)”に2つの領域で研究を行なう。
このYahoo! JAPAN研究所は、2006年3月にYahoo! JAPANの10周年記念事業として発表してから、約1年の準備期間をかけた。
研究の軸としては下記の3つ。
- 社会インフラとしてのインターネットの発展を模する“インターネットの今後の予測”
- 科学技術の発展への貢献を目指す“基礎研究”
- 新規事業分野の開拓や既存事業分野の競争力強化を目的とした“応用・商用研究”
想定される研究テーマとしては、「自然言語処理」「情報検索」「情報デザイン」「メディア処理」「インターネット生活予測」などがあげられており、井上所長は「情報の技術指向より、生活ニーズに根ざした人間指向を狙っていく。Web3.0、Web.4.0の世界はYahoo! JAPANがつくっていきたい」と意気込んでいる。また、Yahoo! JAPAN研究所で得られた研究成果に関しては、「原則、広く公開していく」(井上所長)。
最高技術顧問の村井氏は「日本で一番多くのインターネットの情報量を持つYahoo! JAPANが、このような研究所をつくることは日本のインターネットの未来にとって非常に意義深い。インターネットの世界は1年先の予想も難しいと言われており、確かに1987年から1997年のインターネットの世界の変化は予測不可能なくらい大きく進化を遂げた。しかし、Yahoo! JAPANが誕生した1997年から2007年までの変化は小さく、ある程度予想できた。したがって、今後10年のインターネットの世界を予見することは可能で、そういった研究を行なっていきたい」と意欲を見せた。
Yahoo! JAPAN研究所は4月1日の時点で、約10名の研究員体制でスタートさせる。研究員は随時募集し、最終的には30~40名の規模を計画している。また、米国「Yahoo! Research」への技術交流を目的とした、短・中期的な研究者派遣も予定している。