マイクロソフト(株)の関係者は8日、WWDCの会場にて仮想マシンソフトウェア『Microsoft Virtual PC for Mac』の開発中止を明らかにした。
Virtual PC for Macは、Macの定番仮想マシンソフトとして多くのユーザーを獲得していた。しかし、今年1月に米アップルコンピュータ社がMacのCPUをPowerPCからインテル製のものに移行したことがきっかけで状況が一変。インテルMac上では“Rosetta”によるエミュレーションでもソフトが動作せず、インテルMacに対応するためにはプログラムを書き直す必要があった。
その一方で、アップルは4月5日、インテルMacでwindows XPとMac OS Xをデュアルブートさせるためのツール『Boot Camp』をリリースし、大きな話題を集めた。
続けて6月15日には米パラレル(Parallels)社から、インテルMacでもネイティブ動作する初めての仮想マシンソフト『Parallels Desktop for Mac』が登場した。
さらに追い打ちをかけるように本日、米VMウェア(VMware)社が、Windowsの世界で定評のある仮想マシンソフト『VMWare』のMac OS X版をリリースすると明らかにしている(外部リンク)。
Virtual PC for Macの開発中止には、こうした“MacでWindows起動”に関する状況の変化が少なからず影響していると推測される。
ちなみに米マイクロソフトは、今年1月にもマルチメディアプレーヤー『Windows Media Player』のMac版の開発を中止すると発表した。以後、米テレストリーム社と協力し、Windows Mediaコンテンツを再生するためにQuickTime用コンポーネント『Flip4Mac』を提供している(参考記事)。
『Virtual PC for Mac』の開発中止については、詳細がわかり次第別記事にてお伝えする。