ヨーロッパでは最大規模となる情報通信産業の展示会“CeBIT 2007”が、今年もドイツ北部の都市ハノーバーで開催される。会期は15日から21日(現地時間)。主催はドイツ産業見本市(Deutsche Messe)社。
今年で21年目を迎えるCeBITだが、出展社数は2005年が6270社、2006年が6262社、そして2007年は6059社(77ヵ国)と減少傾向にある。ベルリンショーの名で親しまれる“IFA”(国際家電見本市)が一昨年から毎年開催されることになったり、携帯電話関連のイベント“3GSM World Congress”などが盛り上がりを見せているのとは対照的だ。ヨーロッパでは、これ以外にも1年置きに開催されるカメラ関連の国際イベント“フォトキナ(photokina)”もある。
昨年は、それでも米マイクロソフト社の“Origami”こと“Ultra-Mobile PC”の発表などがあり、話題をつなぐことができた。今年のCeBITでも、インテルの次世代チップセットなどが発表になる見込みであり、まったく話題がないわけではない。しかし、かつては場所を取るだけでも大変だったプレスルームも人影はまばらだ。快適に作業は行なえるが、世界中から詰めかけたジャーナリストたちが、プレスルームの机やLANケーブルの奪い合いをしていた数年前の状況と比べると少々寂しい気分にもなる。
CeBITは、毎年ドイツの大統領が出席する前夜祭が行なわれるなど、国を挙げたイベントという印象が強い。
ヨーロッパ最大の“総合展示会”は、近年相対的にビジネス機器やITソリューションの展示会という性格が顕著になってきた。「何でも揃っている」というCeBITの特徴は、逆に“焦点のぼやけたもの”と出展社の目に映っているのかもしれない。
