(株)ウィルコムは12日、ケーブルテレビネットワークをアクセスラインとしたPHSサービスの実証実験を行ない、既存ネットワークと同等の音声通話品質、データ通信速度が得られたと発表した。
実験は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究テーマ“ケーブルテレビネットワークにおけるモバイル端末接続技術の研究開発”プロジェクトによるもので、(株)ジュピターテレコム(J:COM)と共同で実施した。
この実験は、東京都練馬区高野台のJ:COMサービスエリア内に、試作基地局10台による限定的なサービスエリアを構築して実施した。このエリア内でPHS端末からの発着信の接続率、通話品質、データ通信速度を検証し、接続率99%以上、データ通信速度300kbps以上という、現在のPHSサービスと同等の品質を確認したという。基地局間の送信タイミングも安定的に同期が確保され、ハンドオーバー処理についても動作していることが確認されたとしている。
今回の実験の成功により、今後はケーブルテレビネットワークとPHS事業者をIPネットワークで接続し、ケーブルテレビが普及した山間部などでのPHSサービスの提供や、有線回線による固定電話と無線回線による移動体通信を組み合わせたFMC(fixed-mobile convergence)サービスの実現なども期待できるという。