トレンドマイクロは、スパムの予防・検出・隔離を4つの階層で行なう「Trend Micro Spam Prevention Solution」を、同社の「InterScan Messaging Security Suite」(MSS)のオプションとして、提供することを発表した。あわせてMSSもバージョン7.0に更新される。
予防から検出・隔離まで、4階層でスパムメール対策を行なう「Trend Micro Spam Prevention Solution」
「スパムはWeb threat(脅威)の入り口になっており、もはや単なる『迷惑な存在』ではなくなっている」
トレンドマイクロ プロダクトマーケティングマネージャの網野順氏は、スパムが他のマルウェアへと導くものとなっている現状を指摘する。現在、ネットワークを流れるメールの90%以上がスパム(トレンドマイクロ調べ)であると言われ、ネットワークリソースの圧迫、ユーザーの負担増など深刻な問題となっている。さらに「DHA(Directory Harvesting Attack)」と呼ばれる攻撃(自動生成したユーザー名を付けたアドレスを企業に送り、有効なアドレスを探り当てる手法)や、特定の企業を攻撃の対象とした「スピア型攻撃」など、攻撃方法も高度化している。高度化・巧妙化するスパムに対応するものとして、網野氏は「Trend Micro Spam Prevention Solution」(以下SPS)を挙げる。
SPSは同社のメールサーバ用のセキュリティソフトウェア「InterScan Messaging Security Suite」(以下MSS)のオプションとして用意されるもので、実行にはMSSが必要となる。
一般的なスパム対策ソリューションは、メールの内容を元にスパムを抽出する「メールフィルタリング」と、送信元のサーバがスパム送信に使われているかどうかを判断する「IPレピュテーション」を組み合わせるものが主流だ。SPSは、この2点に加えて「IPプロファイラー」という仕組みを採用している。IPプロファイラーは(1)DHAの防止、(2)スピア型攻撃の防止――に用いられ、IPレピュテーション、メールフィルタリングと合わせて、4階層でのスパムメール対策を実現している。
IPプロファイラーは、メールを特定する「メッセージID」と送信元サーバのIPアドレス、スパム検索エンジンによる処理結果をプロファイリングすることで、DHAやスピア型攻撃を防止する。たとえば、一定時間にあるサーバからアドレス収集目的と思われる攻撃があった場合、そのサーバからの通信をブロックしDHAを防ぐ。また、一定時間に大量のスパムを送るサーバが合った場合、そのサーバからの通信をブロックしスピア型攻撃を防いでいる。
InterScan Messaging Security Suiteも7.0にバージョンアップ
前述のようにSPSはMSSのオプションとして動作するため、MSSもSPS対応のバージョン7.0がリリースされた。この新バージョンではSPSへの対応の他にも、管理機能の強化(複数サーバを1つのコンソールから管理可能に)や、亜種が多いボット型ウィルスへの対応など、大規模環境での運用効率化が図られている。
価格はSPSが14万7000円(税込)、MSS 7.0が30万7125円(税込)。いずれも50アカウントの場合でで、1年間のサポートサービス料金となる。サブスクリプションライセンスのため、MSS 5.xユーザーがMSS 7.0に更新する際、追加料金は必要ない。