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スカパー!でのHD放送は2008年夏から――スカパーJSATグループ、2007年以降の中期経営計画について説明

2007年03月02日 17時35分更新

文● 編集部 小西利明

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スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(株)(以下スカイパーフェクト)とジェイサット(株)は2日、4月2日に予定されている両社の経営統合後の、2007年から2011年にかけての中期経営計画を発表した。ハイビジョン(HD)放送への対応を各サービスで促進するほか、IP放送やモバイル機器向け放送サービスの開発と展開も目指す。

同日発表された、統合後の“スカパーJAST”の企業ロゴ。JとSの字を意匠している

同日発表された、統合後の“スカパーJAST”の企業ロゴ。JとSの字を意匠している

スカイパーフェクト代表取締役社長の仁藤雅夫氏

スカイパーフェクト代表取締役社長の仁藤雅夫氏

同日、東京都内にて開かれた記者説明会には、経営統合により設立される“スカパーJSAT(株)”の経営陣となる、両社のトップが出席。現スカイパーフェクト代表取締役社長で、統合後はスカパーJSAT 代表取締役社長となる仁藤雅夫氏により、中期経営計画のプレゼンテーションが行なわれた。そのため、スカイパーフェクトの事業である放送事業の今後の展開の話題がほとんどを占めた。

まず衛星放送事業の中核である“スカパー!”については、2008年夏をめどにHDチャンネルを開局。映画やスポーツ中継などのペイパービューやプレミアムチャンネルなどを、HD放送で提供する。映像圧縮方式にはH.264を使用し、HD放送と現行のSD放送に対応する受信機の提供も行なう。なおこの受信機には、地上デジタル放送チューナー内蔵モデルの予定や、HDMI経由でのチューナー・TVのワンリモコン操作、ホームネットワーク接続なども予定されているとのことだが、詳細は公開されていない。

2009年秋には大規模なリニューアルが予定されていて、HD放送のチャンネル数を30チャンネル程度に拡充するとともに、パックセットで“HDパック”の提供や、新しい“高性能受信機”の投入も行なうという。高性能受信機ではHD放送の録画や、家庭内のAV機器との連携、インターネット接続経由でのEPG取得や番組検索、オンラインカスタマーサポートといった機能が実装される予定。これらの施策により、2011年度末には加入件数を360万件(個人契約)に増加させる。

110度CSデジタル放送の“e2 by スカパー!”は、地上/BS/110度CSデジタル放送の3波対応チューナーの普及を踏まえて、手軽さを軸にした普及の拡大を目指す。まず現在2チャンネルで行なっているHD放送を、2007年度中に5チャンネル程度に拡充。2009年度には10チャンネル程度に増加させる。目標とする加入件数は、2011年度末で180万件としている。

光ファイバーを使用した有線系放送サービスである“スカパー!光”については、2007年度中に“IP利用のコンテンツ配信サービスの連携”をうたっている。2008年度にはビデオオンデマンドサービスとの連携、2009年度にはスカパー!で行なわれる30チャンネル程度のHD放送も提供を予定している。有線系ゆえに対象エリアが“東名阪中心”と限定されてしまうが、2011年度末時点では80万件程度の加入件数を見込んでいる。

パーソナルな放送を指向した“Lightなスカパー!”のイメージ

パーソナルな放送を指向した“Lightなスカパー!”のイメージ

新規のサービスとなるIP放送やモバイル向け放送については、具体的なサービス内容については言及されず、サービスのイメージの話題に終始した。基本的なコンセプトとしては、リビング等で家族で楽しむ現在のスカパー!とは異なり、よりパーソナルな利用形態への訴求を指向しているようだ。仁藤氏はそれを、“Lightなスカパー!”と称した。無線LAN技術を利用した、小型モニター(個室TV、モバイル端末、パソコンやゲーム機等)への配信や、アナログ停波後の空き帯域のモバイルマルチメディア放送への活用、さらにグリッドコンピューティング技術を活用して、個人による放送などをサービスとして検討しているという。2011年度末時点で130万件の加入件数を目指すとしている。より具体的なプランの提示が期待される。

これら以外の施策としては、“お客様主義の徹底”と題した、割引サービスの拡充やコールセンター機能の充実、コンテンツの充実として、サッカーJ1/J2リーグ全試合の生放送などが挙げられている。

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