後発Lightroomの実力は?
そんな状況の中、2004年後半ごろから(株)市川ソフトラボラトリーの『SILKYPIX』やアップルコンピュータ(株)の『Aperture』など、画像データベース/RAW現像/画像調整/簡単なレタッチといった機能を兼ね備えたプロ写真家向けソフトが登場し始めた。にわかにこの分野に活気が出てきたところに、Lightroomの正式版が発表されたわけだ。
筆者もLightroom正式版のプレビュー用βを手にしてからかなり使い込んできたが、以前のパブリックβにも増して間違いなく作業効率がアップしている。
写真家として注目したいのは、なんと言っても現像処理なくRAWデータを直接管理できる点だ。ライブラリー上でリアルタイムにプレビューし、そのまま調整/レタッチも可能である。
また、Lightroomは、複数の画像に対してごみの写り込みを一挙に補正できる機能も搭載。ほかにもウェブ書き出しや、コンタクトシート(写真のサムネールを一覧できる用紙)の作成を含む柔軟なプリント、外部メディアへの保存といった、出力機能も充実している。
要するに、撮影後の一連の作業をこのソフト1本で済ませられるのだ。もちろんLightroomの利用で後処理が不要になるわけではないが、操作が単純化されるぶん負担は減る。少なくともロケ先でほかのスタッフと一緒に食事に出かける時間は作れるようになるだろう。