このページの本文へ

キヤノン、縦持ちの高倍率コンパクト機『PowerShot TX1』など4製品を発表

2007年02月22日 15時00分更新

文● 編集部 佐久間康仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

キヤノン(株)とキヤノンマーケティングジャパン(株)は22日、家庭用カムコーダーなどのように縦持ちタイプの新型高倍率コンパクトデジタルカメラ『PowerShot TX1』、スタイリッシュコンパクトの“IXY DIGITALシリーズ”最新モデル『IXY DIGITAL 90』『同 10』、光学式手ぶれ補正機能付きの低価格機『PowerShot A570 IS』の4製品を、3月中旬に発売すると発表した。価格はすべてオープンプライス。編集部による予想実売価格は、順に5万円前後、4万円前後、3万7000円前後、3万円前後。

レトロフューチャーなデザインの 光学10倍ズームコンパクト

『PowerShot TX1』

『PowerShot TX1』の電源を投入するとレンズ部が飛び出して、撮影態勢になる

PowerShot TX1の背面

PowerShot TX1の背面

新機軸のPowerShot TX1は、“Tele(望遠)”と“X(未知なもの)”を組み合わせた由来のネーミングを持つコンパクトデジタルカメラ。三洋電機(株)の“Xacti”(ザクティ)シリーズや家庭用DVカムコーダー(ビデオカメラ)などに見られる、側面の液晶パネルを開いて縦に持つこのスタイルは同社では初採用となる。

レンズは電源オンと同時にカバーがスライドして前方に伸びる沈胴式で、光学10倍ズーム(35mmフィルムカメラ換算時:39~390mm相当)とレンズシフト方式の光学手ぶれ補正機能(IS)を搭載。収納時には初代IXY DIGITALとほぼ同等のサイズに収まる。同社では、「まず最初に(初代IXY DIGITALと同じ)サイズありきで開発をスタートした」というが、そのためには新設計のレンズ群と“多群独立駆動方式”の開発など、本機のために新たに開発・改良された独自技術が必要だった。特に多群独立駆動方式は、従来のギアの組み合わせによるカム駆動方式ではなく、複数モーターによってレンズ群を駆動することにより、ワイド端からテレ端までUSM(超音波)モーターなみの高速駆動と小型化を両立できたとしている。

PowerShot TX1の付属品一式

PowerShot TX1の付属品一式

また、カムコーダーらしいスタイルに合わせて動画撮影機能も、最高1280×720ドット(16:9)/毎秒30フレーム/MotionJPEG圧縮AVI形式のHD動画撮影に対応(映像出力は付属変換アダプターによりD3出力をサポート)。より大容量なSDHCメモリーカードをサポートし、液晶ディスプレーの背面にはステレオマイクを内蔵するなど、臨場感のある動画撮影が可能となっている。

ストロボの光量も自動調整する
改良版“フェイスキャッチテクノロジー”を搭載

このほかの特徴として、同社最新の映像エンジン“DIGIC III”(ディジックスリー)を搭載し、画角の中にある人物の顔を最大9人まで見分けて最適な明るさ/フォーカスを調整する“フェイスキャッチテクノロジー”を搭載。この顔優先AF/AEは、静止画撮影だけでなく動画撮影時にも機能する(PowerShot TX1のみ)。そのほか、新たに静止画撮影時には内蔵ストロボの発光量を自動調整して顔が白飛び/黒つぶれすることを防ぐ機能や、カメラ本体での静止画再生時に赤目を自動補正する機能が盛り込まれている(今回発表の4機種に共通)。

撮像素子は有効約710万画素の1/2.5インチCCDを搭載。静止画の記録解像度は最大3072×2304ドット/JPEG形式(DCF準拠/Exif 2.2/DPOF対応)。マクロ(近接)機能は、最短0cmまで寄って撮影が可能。レンズは10群12枚(非球面レンズ1枚含む)で、明るさを示すF値は3.5~5.6。撮影距離は通常時が50cm(ワイド端)/1m(テレ端)以上、マクロは10~50cm、スーパーマクロは0~10cmとなる。側面に収納される1.8インチ低温ポリシリコン液晶ディスプレーはバリアングル可能な2軸ヒンジを持ち、画素数は約11万5000画素。

本体にはUSB 2.0(Hi-Speed対応、PictBridge/ExifPrint/CPダイレクト/BJダイレクト対応)とAV出力端子(コンポーネント含む)を搭載。電源は専用リチウムイオンバッテリーパック(NB-4L)で、撮影可能枚数は約160枚(CIPA測定法準拠)。記録メディアはSDメモリーカード/SDHC/MMC/MMCplusで、本体には32MBのMMCplus1枚が付属する。本体サイズと重量は、幅29.0×奥行き59.9×高さ88.8mm/約220g(本体のみ)。



原点回帰したデザイン採用の新IXY DIGITAL

IXY DIGITAL 90

『IXY DIGITAL 90』

IXY DIGITAL 90/10は、丸みを帯びた最近の“IXY DIGITAL”シリーズから、初代のソリッドな外観に回帰したような印象を受ける新デザインを採用。IXY DIGITAL 10は正面から見ると四角形(長方形)に円、側面の各種ボタンは黒い帯状のラインに集められて、シンプルなイメージに仕上がっている(カラーバリエーションはブラックとシルバーの2色)。

IXY DIGITAL 90の背面

IXY DIGITAL 90の背面

IXY DIGITAL 90の上部操作系

IXY DIGITAL 90の上部操作系

一方のIXY DIGITAL 90は、直方体をナイフでえぐったようなカーブが特徴で、同社では「三日月をモチーフにした」と表現している。裏側を黒、前面をシルバー、上部には錫(スズ)スパッタリングというグラデーション構成になっている。

機能面では新フェイスキャッチテクノロジーの搭載に加えて、最高ISO感度1600相当に対応し、暗い場所では“ISOブースターボタン”により設定を変更せず一時的にISO 800まで自動的に感度を高めることができる(PowerShot TX1も同様)。これにより、動きのある被写体や暗い場所での撮影でも被写体ぶれ/手ぶれを軽減できるという。

IXY DIGITAL 10

『IXY DIGITAL 10』は、レンズ周りなどのデザインの違いで、ブラックとシルバーの2色が用意されている

また、いつもカバンなどに忍ばせておく普段使いのカメラという利用形態を考慮して、傷防止のハードコードを含む3種4層のマルチコート液晶パネル“クリアライブ液晶”を搭載。反射防止コートを前後に挟むことで、明るい屋外でも反射光を液晶パネルの上面と底面の双方で防ぐことにより、見やすさを向上したという。

IXY DIGITAL 10の背面

IXY DIGITAL 10の背面

IXY DIGITAL 10の付属品一覧

IXY DIGITAL 10の付属品一覧

カメラとしてのスペックは2機種ともほぼ共通で、撮像素子は両機種とも、有効約710画素1/2.5インチCCDを採用。静止画の記録解像度は最大3072×2304ドット/JPEG形式(DCF準拠/Exif 2.2/DPOF対応)。動画は最大640×480ドット/毎秒30フレーム/MotionJPEG圧縮AVI形式。レンズは5群6枚(UAレンズ2枚含む)で、35mmフィルムカメラ換算時の焦点距離は35~105mmの光学3倍ズーム。明るさを示すF値は2.8~4.9。液晶ディスプレーはIXY DIGITAL 10が2.5インチ(約23万画素)、IXY DIGITAL 90は3.0インチ(約23万画素)の低温ポリシリコンTFT液晶パネルを採用する。なお、IXY DIGITAL 10のみ実像式光学ファインダーも搭載する。

本体にはUSB 2.0(Hi-Speed対応、PictBridge/ExifPrint/CPダイレクト/BJダイレクト対応)とAV出力端子を搭載。電源は専用リチウムイオンバッテリーパック(NB-4L)で、撮影可能枚数は約210枚(CIPA測定法準拠)。記録メディアはSDメモリーカード/SDHC/MMCに対応し、本体には32MBのSDメモリーカード1枚が付属する。本体サイズと重量は、IXY DIGITAL 90は幅91.6×奥行き19.6×高さ56.8mm/約125g、IXY DIGITAL 10は幅85.9×奥行き19.4×高さ53.5mm/約125g。



PowerShot Aシリーズで初の“DIGIC III”搭載機

PowerShot A570 ISは、実売3万円の低価格機ながら最新の映像エンジンDIGIC IIIを搭載。光学4倍ズームレンズとレンズシフト式光学手ぶれ補正機能を搭載するのが特徴。同時発表の3機種と同様に、新“フェイスキャッチテクノロジー”を採用し、デジタルカメラ入門者にも失敗の少ない人物撮影が可能になるという。

PowerShot A570 IS

『PowerShot A570 IS』

レンズは5群7枚(非球面レンズ2枚含む)の光学4倍ズーム(35mmフィルムカメラ換算時35~140mm相当)で、明るさを示すF値は2.6~5.5。オプションのレンズアダプターとコンバージョンレンズを追加することで、焦点距離を1.75倍(テレコン装備時、約245mm相当)もしくは0.7倍(ワイコン装備時、約24.5mm相当)などのバリエーション撮影が可能になる。背面の液晶ディスプレーは2.5インチTFT液晶パネル(約11万5000画素)で、角度を変更するといった機能は持たない。

PowerShot A570 ISにテレコン

PowerShot A570 ISにテレコンを装着したところ

PowerShot A570 ISにワイコン

PowerShot A570 ISにワイコンを装着したところ

そのほかのスペックは、撮像素子に有効約710画素1/2.5インチCCDを採用。静止画の記録解像度は最大3072×2304ドット/JPEG形式。動画は最大640×480ドット/毎秒30フレーム/MotionJPEG圧縮AVI形式。インターフェースにはUSB 2.0(Hi-Speed対応、PictBridge/ExifPrint/CPダイレクト/BJダイレクト対応)とAV出力端子を搭載。

PowerShot A570 ISの背面

PowerShot A570 ISの背面

PowerShot A570 ISの付属品一覧

PowerShot A570 ISの付属品一覧

電源は単3電池2本で、撮影可能枚数はアルカリ乾電池使用時が約120枚、ニッケル水素充電池では約400枚となる(CIPA測定法準拠、液晶ディスプレー使用時)。記録メディアはSDメモリーカード/SDHC/MMCに対応し、本体には16MBのMMC1枚が付属する。本体サイズと重量は、幅89.5×奥行き42.8×高さ64.3mm/約175g。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン