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【T指令のパーツで遊ぼう!! No.13】

2006年に登場した人気CPUクーラーの最強王座を決める!

2007年02月24日 21時54分更新

文● T指令

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PWMコントロールが曲者の「Silent Square」

 続けてASUSTeK製の「Silent Square」を試してみよう。この製品も専用のリテンションが必要なので、マザーボードを検証台から外してリテンションを取り付ける。「しかし、あと何回リテンションの取り外しと取り付けを行うのだろう……」とちょっと疲れ気味。ただ、「Silent Square」はリテンションを付けてしまえば、取り付けは非常に簡単だった。まずは、基本となるコア定格電圧(1.35V)、FSB333の動作クロック2997MHzに設定して、いざ計測開始と思ったのだが、ここで気になることが発生した。

Silent Square

ASUSTeK製CPUクーラー「Silent Square」。同社によると、TDPが130Wを超えるCPUを使用したときでさえ、CPUから即座に熱を奪うとのこと。さらにマザーボードのVRMの冷却も合わせて行なえるという

 仕様ではファン回転数が最大1800rpmで可変のはずなのだが、初めからファンが全力回転しているように感じる。気になるのでマザーボードに付属する監視ソフト「PC ProbeII」をインストールして、ファンの回転数を確認してみると、案の定1950rpmと全力で回っていた。「Silent Square」は、4ピン電源コネクターのPWMコントロールに対応しているので、設定をBIOSで確認してみるが問題なさそうだ。試しに、ファンの動作モードを静音にしても変わらない。何事も初心が大切ということで、CMOSクリアーを実行。すると、ファンの回転数は見事に落ちた。「どこかBIOS設定ミスってた?」と思いつつ、FSB333に設定して再起動するとまたも全力回転に。BIOSの設定を変更したところは、「Enhanced C1 Control」と「Intel Speed Step tech.」を無効(Disabled)にして電圧を1.35V、FSBを333MHzにしただけなので、ひとつずつ元に戻して確認してみる。どうやらFSB設定が原因のようだ。いろいろFSBの設定を変更していくと、FSB319以下ならPWMコントロールで制御されるが、それを超えると全力回転になるようだ。OCする人は、CPUクーラーやファンを購入する時にPWMコントロール対応か否か確認したほうが安全だ。同製品のように、最大1800rpmで最大騒音レベル28dBなら、音は気にならないレベルだ。しかし、高回転のファンを搭載している製品だと、思っていたより大きな音になる可能性がある。もちろん、すべてのマザーボードで同じになるとは思えないが、OC時にPWMコントロール対応のCPUクーラーを使う場合は注意が必要だ。おそらく、静音モードの設定でFSBを上げて使用された場合に問題が発生するのを避けるための安全対策だとは思うが、ちょっと悲しいかも。ということで「Silent Square」計測時のファン回転数は1950rpm前後となることが確定した。

Silent Square

ASUSTeKのウェブページによると、TDPが130Wを超えるCPUを使用したときでさえ、CPUから即座に熱を奪うとのこと。さらにマザーボードのVRMの冷却も合わせて行なえるという

 さて、計測に戻るとしよう。まずコア電圧1.35V、FSB333×9倍=2997MHz動作を試すと、アイドル時42℃で中負荷時47℃、高負荷時55℃になった。続けてコア電圧1.45VのFSB350×9倍=3.15GHz動作時では、アイドル時46℃で中負荷時52℃、高負荷時64℃で、コア電圧1.65VのFSB390×9倍=3.51GHz動作時は、アイドル時54℃、中負荷時66℃、高負荷時80℃だった。思っていたより結果は振るわず、「SI-120+SX-12025-14」と同程度の結果になっている。残り2製品、果たして「INFINITY COOLER」の結果を超える製品はあるのだろうか。

Silent Squareグラフ

思っていたより結果は振るわず、「SI-120+SX-12025-14」と同程度の結果になっている

勢いに乗るZALMAN製品をチェック!

 いよいよ残すところ2製品。ZALMAN製「CNPS9700 NT」を計測してみよう。なお同製品は、「Silent Square」と同様にPWMコントロール対応CPUクーラーだ。スペックはファンの最大回転数が2800rpm、最大騒音レベルが35dBなので、そんなに気になるレベルではないと思うが、試してみないと何ともいえない。多少音が気になっても、冷却性能が高ければ文句はないと思いつつ、電源を入れると……。ちょっとうるさく感じる。周りが静まりかえっている真夜中なのも影響しているが、今まで試してきたCPUクーラーが静かだった分、うるさく感じてしまう。30~40dBというのは、ささやき声や図書館などとほぼ同じ騒音レベルなので、実際にケースへ入れて蓋を閉めた状態なら気にならないだろう。なお、ファンの音が心配という人は、PWMコントロールへ対応していない「CNPS9700-LED」を選ぼう。こちらは、ファンコントローラが付属しているので安心だ。

CNPS9700

3本あるヒートパイプが“8”の字型に湾曲し周囲の円状ヒートシンクで放熱するというユニークな形状のZalman製のCPUクーラー「CNPS9700 NT」

 それでは、フィンも含めてすべて銅製の「CNPS9700 NT」を試していこう。まずは、コア定格電圧(1.35V)のFSB333×9=2997MHzのアイドル時をチェックすると、「INFINITY COOLER」より3℃も下回る36℃になった。これは、中負荷、高負荷時にも期待できそうだ。さっそく、計測してみると中負荷時が43℃で高負荷時は49℃となった。アイドル時ほどの温度差は出ていないが、今までのなかではダントツの冷却性能だ。引き続きコア電圧1.45VのFSB350×9倍=3.15GHz動作時を計測すると、アイドル時が41℃で中負荷時は49℃となり、高負荷時が57℃となった。コア電圧1.65VのFSB390×9倍=3.51GHz動作時は、アイドル時50℃で中負荷時は57℃、高負荷時70℃と銅製クーラーの本領発揮といえる性能だ。とくに、発熱量が増加するコア電圧1.65V設定の高負荷時は、「INFINITY COOLER」に比べて6℃も低くなった。もちろん、使用しているファンの風量が違うので、厳密な同条件とはいえない。だが、ファンを交換する手間をかけなくとも、この性能を手にできるのは魅力的だ。

CNPS9700 NTグラフ

コア電圧1.65VのFSB390×9倍=3.51GHz動作時は、アイドル時50℃で中負荷時は57℃、高負荷時70℃と銅製クーラーの本領発揮といえる性能だ

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