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【T指令のパーツで遊ぼう!! No.13】

2006年に登場した人気CPUクーラーの最強王座を決める!

2007年02月24日 21時54分更新

文● T指令

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純正クーラーはOCにどこまで耐えられる?

 さっそく、各CPUクーラーの冷却性能をチェックしていこう。なお、温度の計測はCPU負荷0~2%前後時をアイドル時とみなす。「A7 Bench Mark Test」(以下:A7 Bench)と、「Superπ」1677万桁演算を同時に実行し、「Superπ」の計算が10回ループ(約3分)したときを中負荷時とする。そして「StressPrime2004 ORTHOS」(以下:SP2004)を10分間実行した時点の温度を高負荷時とした。なお、検証はマザーボードをケース内に取り付けずに検証台で行っている。

 まず間違いなく動作しないと思いつつも、一応BOX品付属の純正クーラーを試すと、コア定格電圧(1.35V)のFSB333MHz状態で、アイドル時53℃、中負荷時67℃となった。そして、最大の壁となる高負荷時は「SP2004」を4秒前後実行しただけで、CPU温度が85℃を超えてしまいエラーとなった。さすがに定格電圧でも、2997MHzで「SP2004」を実行するのは難しいようだ。続けてコア電圧とFSBをそれぞれ1.45Vと350MHzに設定すると、アイドル時が69℃で中負荷時は83℃に。なお、「Superπ」の1677万桁演算は途中でエラーが発生した。また、コア電圧1.6VのFSB390MHzでは、アイドル時で78℃に達したことも明記しておこう。さて、純正クーラーの計測も終わったので、いよいよ本命のCPUクーラー達を試していこう。

純正クーラーグラフ

高負荷時は「SP2004」を4秒前後実行しただけで、CPU温度が85℃を超えてしまいエラーとなった。さすがに定格電圧でも、2997MHzで「SP2004」を実行するのは難しいようだ


お手ごろ価格で人気のサイズ製品を計測

 一番手は、専用のリテンションが必要ないサイズ製品だ。まず、コア定格電圧でFSB333MHzの動作クロック2997MHz状態を計測してみよう。T指令的には、ファンが下向きに付いているため、チップセットとメモリを一緒に冷却できる「ANDY SAMURAI MASTER」に期待しているがどうなることやら。期待している製品は後に回して、まずは「峰COOLER Rev.B」を試すと、アイドル時42℃で中負荷時48℃、高負荷時54℃となった。続けて「INFINITY COOLER」へさくっと交換して計測だ。結果は、アイドル時39℃で中負荷時44℃、高負荷時51℃と、各負荷時で2~4℃の差がでた。さすが、大型ヒートシンクと12cmファンの組み合わせというところだろう。さて、期待している「ANDY SAMURAI MASTER」の結果はアイドル時40℃で中負荷時45℃、高負荷時51℃と、「峰COOLER」より2~3℃低い結果で、「INFINITY COOLER」にも負けない好結果だ。続けて、コア電圧1.45VのFSB350×9倍=3.15GHz動作時とコア電圧1.65VのFSB390×9倍=3.51GHz動作を計測すると、2997MHz動作時と同程度の温度差になった。

峰COOLERグラフ

「峰COOLER Rev.B」の温度グラフ

INFINITYグラフ

「INFINITY COOLER」の温度グラフ。各負荷時で「峰COOLER」より2~4℃低い

ANDYグラフ

「ANDY SAMURAI MASTER」の温度グラフ。「峰COOLER」より2~3℃低い結果だ

 これまでの結果を踏まえると、「INFINITY COOLER」ならコア電圧1.65Vの状態でも常用できそうだ。同製品がサイズ的に取り付けられないという人は「ANDY SAMURAI MASTER」もよいだろう。両製品ともに4000円台というお手ごろ価格で購入可能な点と、手軽に風量のあるファンに交換できる点が大きなポイントだ。


ロングセラーの「SI-120」をチェック

 次はサイズ製品以外を試していこう。まずは人気の高いThermalRight社の「SI-120」だ。同製品は、Socket939対応の“Athlon64”や“Opteron”でオーバークロックする際に人気の高かった「XP-120」の改良モデルとして2005年8月に登場した製品。そして、2006年8月に後継機種の「SI-128」が登場し、一度販売終了となったが「SI-128」の販売終了にともない同年12月に再販され始めた。ちなみに、標準ではLGA775に対応していないため、LGA775取り付け用オプションの「LGA775 RM」を使う必要がある。私も「Athlon64」のOCでお世話になったが、最新のCPUクーラーに比べてどのくらいの冷却効果を発揮するか気になるところだ。

SI-120

再販で復活を果たしたThermalRight製「SI-120」

SI-120

対応CPUはSocket478/939/940/754。LGA775は別売りのオプションを使うことで使用可能だ

 期待を込めてコア定格電圧(1.35V)、FSB333の動作クロック2997MHzに設定して計測を始めよう。さくっとVistaを起動したアイドル時の計測結果は40℃で、「A7 Bench」と「Superπ」の1677万桁を実行した中負荷時は46℃と「ANDY SAMURAI MASTER」や「INFINITY COOLER」と同程度の結果だ。ただ、「SP2004」を10分間実行した高負荷時は54℃と「峰COOLER」と同じになった。悪くない結果だが、ちょっと微妙だ。引き続きコア電圧1.45VのFSB350×9倍=3.15GHz動作時を計測すると、アイドル時45℃で中負荷時53℃、高負荷時63℃となり、コア電圧1.65VのFSB390×9倍=3.51GHz動作時は、アイドル時55℃、中負荷時66℃、高負荷時81℃になった。結果を比べてみるとアイドル時と中負荷時は「ANDY SAMURAI MASTER」に近く、高負荷時は「峰COOLER」と同程度の性能だ。ただ、「SI-120」に使用した12cmファンの「SX-12025-14」は風量が58CFMと「峰COOLER」の42.69CFMや「ANDY SAMURAI MASTER」の49.58CFMより強くなる。そのため、風量分を差し引いて考えるとCPUクーラーの冷却性能は高いとはいえないだろう。

SI-120グラフ

アイドル時と中負荷時は「ANDY SAMURAI MASTER」に近く、高負荷時は「峰COOLER」と同程度の性能だ。ただ、12cmファンの風量分を差し引いて考えるとCPUクーラーの冷却性能は高いとはいえないだろう

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