検証環境を整える
今回の比較は、発売から半年経っても人気が衰えない「Core 2 Duo E6600」(デュアルコア/動作クロック2.4GHz/2次キャッシュ4MB)をオーバークロック(以下:OC)させて、CPUクーラーの冷却性能をチェックする。OC時の設定は、動作クロックと電圧を変えて3パターン計測することにした。1つ目の設定は、定格コア電圧の1.35VでFSBを333MHzに設定し、FSB333×9倍の2997MHzで動作させる。2つ目は、コア電圧を定格にプラス0.1した1.45Vに設定し、FSBを350MHzに設定。動作クロックを3.15GHzにする。最後はコア電圧1.6V、FSBを390MHzに設定して、3.51GHz動作させる。さらに“FSB Termination Voltage”を1.45V(定格+0.2V)、“MCH Chipset Voltage”を1.75V(定格+0.3)に設定している。実は今回の検証、結構ハズレのE6600を使っているため、OC時の性能には満足していない。また、CPU負荷に応じて動作クロックと駆動電圧を変化させるEIST(拡張版Intel SpeedStepテクノロジー)とC1E機能はBIOSで無効にしている。なお、検証に使用するマザーボードのASUSTeK「P5W DH Deluxe」(BIOS1707)では、“Enhanced C1 Control”と“Intel Speed Step tech.”の項目を無効(Disabled)に設定しないと、コア電圧の変更ができない。あと、忘れてはいけないシリコングリスは、親和産業のシリコン銀グリス「SS-AGGREASE」(熱伝導率9.0W/m・k)を使用する。
次はCPU温度の計測とOC状態でかける負荷テストだ。まず、温度の計測にはフリーソフトウェアの「Core Temp Beta 0.94」を使う。このソフトは、“Core2 Duo”環境では定番となりつつあるCPU温度計測ソフト。マザーボード搭載の温度センサーではなく、CPUに内蔵されているセンサーの温度を表示する。そのため、マザーボードのメーカーが違ってもCPU温度の比較がしやすいため、OCの結果報告によく使われている。負荷テストには、アートディンク「A列車で行こう7」のベンチマークソフト「A7 Bench Mark Test」と、定番の「Superπ」。さらに、CPUに負荷を最大限かける「StressPrime2004 ORTHOS」の3つを使用する。この「StressPrime2004 ORTHOS」を長時間実行すれば、OC時の安定動作の目安にできる。
そして、肝心のOSには「Windows Vista Ultimate」を使用している。ただ、メモリを節約するためにメニューなどの表示言語を英語に変更している。確実に起動時の物理メモリの使用量とページングファイルの使用量が変わるのでオススメだ。なお、言語の切り替えは再起動不要で行なえ、ユーザーアカウントごとに設定することができる。そのため、メモリが大量に必要なゲームなどのソフトを使う際、英語表示に設定したユーザーアカウントへ切り替えて使うということができる。また、英語表示に設定しても日本語の入力や表示は問題なく、日本語表示のゲームもプレー可能なので、Ultimateを購入した人は一度お試しあれ。
テスト環境 |
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CPU:intel「Core 2 Duo E6600」(2.4GHz) |
メモリ:CFD「DDR2-667(PC2-5300) 1GB×2」 |
マザーボード:ASUSTeK「P5W DH Deluxe」 |
ビデオカード:GIGABYTE「GV-NX78X256V-B」(PCI Express x16) |
HDD:Seagate「ST3160812AS」(160GB SerialATA) |
光学ドライブ:東芝「SD-M1612」 |
電源:ANTEC「TRUEPOWER2.0 550w」 |
OS:Microsoft「Windows Vista Ultimate」 |