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YouTube創業者も絶賛! はてなが“Rimo”で狙うこと

2007年02月20日 17時30分更新

文● 編集部

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 (株)はてなが先週リリースした動画試聴サービス“Rimo”(http://rimo.tv/)。YouTubeの人気番組を自動的に抽出し、テレビのようにエンドレスに流し続けるという“ありそうでなかった”サービスだ。

Rimo

Rimoのウェブサイト。サイトを開くと、動画が表示されるという極めてシンプルなコンセプト。操作もリモコン風のボタンを押すだけだ

 最大の特徴は、YouTubeに登録された膨大な数の動画のうち、おいしいところだけを“つまみ食い”できる点。RimoはASP型のYouTubeビューアーという位置付けで、動画データは、ユーザーのアクセス状況などを考慮して、YouTubeのサーバーから“人気の高い”と判断された動画が順番に呼び出される仕組みである。いわゆるプッシュ型のサービスのため、目的の動画をいちいち検索しないでいいのがウリ。テレビのような“だらだら見”ができる新しいタイプのメディアとして、注目を集めている。

 編集部では、はてな取締役の輿水宏哲(こしみず ひろのり)氏を電話取材。開発の背景やサービスの特徴について聞いた。



サービス名に“はてな”がない理由


Q1 Rimoが誕生したきっかけは?
A1 昨年12月3日の社員旅行で行なったコンペ大会で、このアイディアが生まれた。ネットで動画を見る人が増えている一方、テレビは見るが、ネットは使わないという人も依然多い。テレビのように“くつろいで”見られるサービスを作れば、ネットユーザーを増やせると思い、開発を始めた。

Q2 サービス名に“はてな”の文字がないが。
A2 弊社のサービスは、これまで“はてなブックマーク”や“人力検索はてな”など、ユーザーが主体的に参加してコンテンツを作り上げていくものが多かった。テキスト主体で難しい印象を与えていた。今回のRimoは今までとは真逆のシンプルなサービスだ。“これまでとは違う”という意味を込めて、あえて名前に“はてな”は付けなかった。今まではてなを使ったことがない人や、普段ネットをあまり使わない人にもぜひ利用してほしい。

リモコン

操作を行なうリモコン風インターフェース。画面左下にマウスカーソルを移動すると、じわじわと現れる

Q3 リモコンには4つのチャンネルがあるが、それぞれどのような動画が流れているのか?
A3 チャンネルはYouTubeのカテゴリーに基づいていて、大まかに分けると“音楽”“お笑い”“アニメ”“動物”の4種類の動画が流れている。

Q4 動画の更新頻度は?
A4 1日に1回更新し、1度見た動画はその日のうちは再表示しない仕組みになっている。

Q5 検索機能は装備しているか?
A5 キーワード検索機能などはない。テレビのように“かけ流し”で楽しんでもらうのをコンセプトにしているので、早送りや巻き戻し機能もつけていない。

Q6 見たくない動画に当たったら?
A6 スキップ機能で、気に入らない動画は飛ばすことができる。



任天堂のWiiにも対応


Q7 Wii再生機能とは?
A7 “Wiiショッピングチャンネル”からお試し版のウェブブラウザーをWiiにインストールすると、インターネットにアクセスできるようになる。WiiでRimoのウェブサイトにアクセスすると、Wiiのリモコンでも使いやすいように、大きめのボタンが配置された専用の再生画面が表示される。Wiiのリモコンでチャンネル選択、スキップ、電源のON、OFFといった操作ができる。

Q8 Wii再生機能により、子供がYouTubeの動画を簡単に見られるようになる。ふさわしくない動画が流れる可能性はないのか?
A8 特に対策はとっていないが、問題があるような動画は人気が出る前に(つまりRimoで表示される前に)、YouTube側が削除するはず。YouTubeにはアダルトコンテンツは載せられないし、実際にYouTubeを使ってみても、子供にふさわしくないような動画があるとはあまり感じなかった

Q9 事前に任天堂にアナウンスは?
A9 特にしていない。



YouTubeの創業者にデモ、好評を得た


Q10 YouTubeに許可は得ているのか?
A10 YouTubeが公開しているAPIを利用しており、利用規約にも反していないサービスなので特に問題はないと思う。オフィシャルな許可は得ていないが、YouTubeの創業者が来日した際にデモンストレーションを行なったところ、「面白い」と好評を得た。

Q11 YouTubeには著作権を侵害している動画がある。Rimoは著作権侵害を幇助(ほうじょ)するのではないか?
A11 Rimoはあくまで、YouTubeを見るためのビューアーやブラウザーのようなサービス。サービスそれ自体が著作権侵害を幇助するものではないと認識している。

タイトル画面

動画の切れ目には、短いタイトル画面が入る。再生されている動画にはテレビ番組などをキャプチャーしたものも多いようだが……

Q12 実際に著作権上問題のある動画が流れた場合の対応は?
A12 YouTubeは著作権者からの通報があった場合、当該の動画を削除するとアナウンスしている。Rimo側でも利用者からの要請があれば、その動画をRimoで表示できなくするよう対応する予定。

Q13 無料サービスで、広告も入っていないようだが、どうやって収益をあげるのか?
A13 今のところまったく考えていない。ユーザーが増えればそこにビジネスチャンスが広がるかもしれないが、現状で明確に描いているビジネスモデルはない。

Q14 今後のユーザー数の目標は?
A14 具体的な目標人数は設定していない。できるだけ多くの人に楽しんでほしい。

Q15 今後の展開は?
A15 海外動画などのチャンネル数を増やす予定。ユーザーがチャンネルをカスタマイズする機能も考えているが、“これは、極力シンプルにする”というコンセプトと外れるので議論中だ。


プレスリリースによるとRimoはYouTubeだけに限定したサービスではないという。今後どのような展開をしていくのか楽しみだ。

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