「企業がブロガーに、宣伝のためお金を渡す行為についてどう思うか」。そんなアンケート調査をマーケティングPR会社のビルコム(株)が行なった。
対象は20代以上の男女400名。アンケートではプレスリリースなどを通じて企業が積極的に情報発信する行為や、ブログでの情報発信などに関する意識調査が行なわれている。
立場の違いか、分かれる意見
冒頭で紹介した“ブロガーに対する企業からの働きかけ”に関しては、賛成が55.5%、反対が44.5%とまっぷたつに分かれた。
肯定派の意見で大勢を占めたのが「企業のために書いた記事の報酬を受け取るのは当然だから」(151名、賛成意見の68%)という意見。これに「個人の副業機会を増やしているから」(71名、32%)、「個人が情報発信する動機付けになるから」(70名、31.5%)、「お金が欲しいから」(55名、24.8%)が続く。
対する反対派の意見は「お金をもらってブログを書いたのか、本当に書き手が良いと思ったのかわからず読者の混乱を招くから」(142名、反対意見の79.8%)、「ブログ記事の信頼性を落とすことになるから」(76名、42.7%)、「企業が個人の情報をコントロールすべきではないから」(74名、41.6%)、「倫理・モラルに反すると感じるから」(59名、33.1%)。
細かな設問内容や、具体的にどういった金銭授受を想定しているのか(企業からの依頼に基づいて記事を書くのか、ブログサイトへの広告出稿やアフィリエイトなどを含むのかなど)は、公開されていないが、結果だけで判断すると、肯定派は情報発信側(実際に金銭を受け取るブロガー)、否定派は情報の受け手(ブログを読む読者)の立場に寄った回答という印象である。
一方で、「企業からお金をもらっている人物の情報を信用できない」と答えた回答者は、その人物が友人や知人の場合でも63%、知らない人の場合は86.7%と過半数を占めている。記事の書き手としてお金をもらうのは嬉しいが、お金をもらっている人のエントリーはいまいち信用できない。そんな複雑な心理がかいま見える調査結果となった。