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マイクロソフト、企業システム向け包括的セキュリティ製品群「Microsoft Forefront」日本語版を発表

2006年11月24日 00時00分更新

文● アスキービジネス編集部

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マイクロソフトは企業のシステムをマルウェアなどの脅威から保護するセキュリティ製品「Microsoft Forefront Security for Exchange Server」、「Microsoft Forefront Security for SharePoint」両製品の日本語版を12月1日から提供すると発表した。あわせてデスクトップ環境向けの製品、「Microsoft Forefront Client Security」日本語版の公開ベータ版提供を12月13日から開始することも発表した。

Windowsネットワークシステム全体を保護する「Forefront Security」

 マイクロソフトはこれまでにも個人ユーザー向けの「Windows Defender」、企業向けの「Internet Security & Acceleration Server 2006」などセキュリティ関連のソフトウェアを提供している。今回発表された「Microsoft Forefront」は、企業向けのセキュリティ製品をさらに充実させるものとなる。

 マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部ディレクターの五十嵐光喜氏は、同社のセキュリティ関連製品が「エッジサーバ」、「サーバアプリケーション」、「OS」の3分野をターゲットとしていることを説明した。エッジサーバ向けには「Internet Security & Acceleration Server 2006」がすでに発売されており、「Microsoft Forefront Security for Exchange Server」(以下FSE)、「Microsoft Forefront Security for SharePoint」(以下FSS)がサーバアプリケーション向けとなる。また、ベータ版が公開される「Microsoft Forefront Client Security」(以下FCS)はクライアント/サーバOSを対象としたセキュリティ製品となる。FSS/FSEは12月1日から提供開始、FCSベータ版は12月13日から提供開始される。

マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部ディレクター 五十嵐光喜氏

マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部ディレクター 五十嵐光喜氏

 続いて登壇したマイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部シニアプロダクトマネージャの齋藤義憲氏は、Active Directoryと連携可能なFSS、FSE、FCSの追加により、業務用ネットワーク全体の強力な保護が実現するとした。

マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部シニアプロダクトマネージャ 齋藤義憲氏

マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部シニアプロダクトマネージャ 齋藤義憲氏

Forefront Securityで包括的なセキュリティ基盤を実現する

Forefront Securityで包括的なセキュリティ基盤を実現する

 FSS、FSEが想定する環境は社外も含めたコラボレーション環境、すなわち自社の管理が及ばない外部のユーザーやクライアントが接続するシステムを想定している。複数の階層で機能する複数のスキャンエンジンにより、高度なシステム保護を実現する。ウイルス対策エンジンは、マイクロソフト製のものに加え、AhnLab、Kaspersky、CAなど8つのサードパーティ製品も利用可能であり、サードパーティ製品のライセンス料金はFSの料金に含まれている。複数のウイルスエンジンを備えることで、あるウイルスエンジンのパターンファイル更新中にもサービスを停止する必要がない。

 システム要件はFSEが512MB以上のメモリ、300MB以上のHDD空き容量、OSはWindows Server 2003、FSSは2.5GHz以上のデュアルプロセッサを搭載したx86 PCU、1GB以上のメモリ、550MB以上のHDD空き容量、OSはWindows Server 2003(Service Pack 1適用済み)となる。

 ライセンス体系は、セキュリティ対策ソフトウェアでよく用いられるサブスクリプションライセンスを採用している。参考価格はFSEが1ユーザーまたは1デバイスごとに1カ月あたり200円、FSSが1ユーザーまたは1デバイスごとに1カ月あたり100円となっている。

ベータ版が公開されるForefront Client Security

 最後にMicrosoftセキュリティプロダクトマーケティング シニアプロダクトマネージャのホゼ・ホンタネス氏がForefront Client Securityに関する説明を行なった。FCSはクライアント/サーバOSを保護するための製品で、Active Directory、Windows Server Update ServicesなどWindows関連の技術や製品との強力な連携が特徴だ。

Microsoftセキュリティプロダクトマーケティング シニアプロダクトマネージャ ホゼ・ホンタネス氏

Microsoftセキュリティプロダクトマーケティング シニアプロダクトマネージャ ホゼ・ホンタネス氏

 1つのコンソールでネットワーク全体の管理情報を表示したり、1つのポリシーにより、スキャンのスケジュール、警告のレベルなど多くの設定を行なえる点など、より簡単に管理が行なえるようになっている。セキュリティ関連のデータは非常に多いが、FCSではその中から「次に何を行なえばよいのか」を示すデータ、たとえば「セキュリティパッチ未適用のマシン」や「セキュリティ的に問題のある設定のマシン」などが優先的に表示されるようになっている。

 FCSは前述のように12月13日からベータ版が提供され、2007年前半に製品版のリリースが予定されている。

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