【3GSM World Congress 2007 Vol.3】
ノキア、Symbian OS搭載のスマートフォン3機種を発表!
2007年02月13日 15時57分更新
世界各国の移動体通信関連企業が出展する展示会“3GSM World Congress(ワールドコングレス) 2007”が、スペインのバルセロナで12日から15日(現地時間)まで開催されている。12日には、フィンランドのノキア社が、記者会見を行ないSymbian OS搭載のスマートフォン3機種を発表した。
スマートフォンは2008年には2億5000万台を超えるだろう
講演には、ノキアの社長兼CEOのオリペッカ・カラスブオ(Olli-Pekka Kallasvuo)氏が出席し、現在のスマートフォン市場などについて説明した。この中でカラブスオ氏は、「PDAの出荷台数は年々落ち込み、2006年にはわずか550万台となった。しかし、(スマートフォンなどの)コンバージェンス・デバイス(Convergence Device)は年々成長を続け、2006年には8000万台に達した。2008年には2億5000万台を超えるだろう」との予測を示した。
また、モバイルTVの将来についても触れ、欧州のモバイルTV規格である“DVB-H”用のチップセットの価格は、量産化により2008年には7ユーロ(約1100円、1ユーロ=158円)まで下がるととの見通しを示した。これにより、モバイルTV機能が搭載された携帯電話機の出荷台数は、2008年に500万から1000万台、2009年末には2000万台に達する、と予測している。
講演後の記者会見では、「米アップル社のiPhoneについて、どう思うか」という質問が出た。この質問に対してカラブスオ氏は、「この質問には、いままでも何度も答えていますが、基本的には歓迎しています。スマートフォン市場が注目を浴び、活性化につながるから」と答えていた。
Symbian OS搭載のスマートフォン“Eシリーズ”3機種を発表
ノキアは、Symbian OSを搭載した企業向けスマートフォン“Eシリーズ”の3つの新機種を発表した。『Nokia E65』、『Nokia E61i』、『Nokia E90 Communicator』で、いずれも“Symbian OS 9.1”を搭載し、ユーザーインターフェースに“S60 3rd Edition”を採用している。
Nokia E65は、厚さ15.5mmとスリムなスライド式のスマートフォン。回線網はW-CDMA/EDGE/GPRS/GSM(850MHz/900MHz/1800MHz/1900MHz)に対応、このほか無線LAN(IEEE 802.11b/g)にも対応している。折りたたみ時のサイズは、幅49×奥行き15.5×高さ105mm、重さ115g。すでに欧州など一部地域で発売されており、価格は400ユーロ(約6万3000円)。
Nokia E61iは、日本でも発売されている『Nokia E61』の後継機種で、デザインが見直されたほか、E61には搭載されていなかった200万画素のカメラ機能が新たに搭載された。また、ショートカットキーが2つから4つに増えたほか、若干スリムになったという。回線網はW-CDMA/EDGE/GPRS/GSM(850MHz/900MHz/1800MHz/1900MHz)に対応、無線LAN(IEEE 802.11b/g)にも対応している。サイズは、幅70×奥行き11.5×高さ117mm、重さ150g。発売予定は今年4月から6月で、価格は400ユーロ(約6万3000円)程度となるという。
Nokia E90 Communicatorは、高速データ通信サービスの“HSDPA”にも対応したPDA型のスマートフォン。折りたたんだときは、普通の携帯電話機として、ふたを開けばPDAとして使用できる。これまでのノキアの“Communicator”シリーズでは、ユーザーインターフェースは“Symbian S80”が採用されてきたが、E90からはS60が採用されている。回線網は、W-CDMA/EDGE/GPRS/GSM(850MHz/900MHz/1800MHz/1900MHz)と無線LAN(IEEE 802.11b/g)にも対応しているほか、HSDPAにも対応している。折り畳み時のサイズは、幅132×奥行き21×高さ57mm、重さ210g。発売予定は今年4月から6月で、価格は800ユーロ(約12万6000円)程度となる。
CommunicatorシリーズはS60モデルになり、S80モデルは今後生産しない
ノキア バイス・プレジデントのマッティ・ヴァンスカ(Matti Vanska)氏は、“Communicator”シリーズにおいて、従来のS80ではなく、S60が採用された理由として「S60の機能が向上してきたことから、Communicatorシリーズでも採用できるようになった。S80モデルは今後は生産しない。しかし、S60は他社にもライセンス供与しており、他社製のCommunicaterタイプのスマートフォンが登場する可能性もある」と説明した。また、これらの新製品も時期は未定だが日本市場への発売を検討しているという。また、「日本市場は、ユーザーの要求水準が高いが、ここからノキアが学ぶことは多い。日本でセールスを伸ばせれば、それはグローバルなセールスにも役立つ」と、日本市場への期待を語った。
携帯電話機のカメラでCNNが世界中継!
ノキアのブースでは、米CNNによりノキア製の携帯電話機のカメラで撮影した映像を、そのまま世界に生中継で放送するという実演を行なっていた。CNNの3GSMレポートの冒頭90秒が、『Nokia N95』によって撮影されたという。

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