【3GSM World Congress 2007 Vol.2】
英ソニー・エリクソンが、2006年業績に関する記者発表会を開催――純利益は2.8倍に
2007年02月12日 22時46分更新
世界各国の移動体通信関連企業が出展する展示会“3GSM World Congress(ワールドコングレス) 2007”が、スペインのバルセロナで12日から15日(現地時間)まで開催されている。開幕前日の11日夜には、英ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(Sony Ericsson Mobile Communications)社が、プレス/アナリスト向けに2006年の業績説明会を行なった。
フリント氏は、2006年12月期の業績について説明した。売上高は前年比50%増の109億5900万ユーロ(約1兆7315億2200万円、1ユーロ=約158円換算)、携帯電話機の総出荷台数は、同46%増の7480万台、そして純利益は2.8倍増の9億9700万ユーロ(約157億5260万円)となった。これは主に、“ウォークマン携帯”や“サイバーショット携帯”などが好調だったことによるという。ウォークマン携帯は2005年8月の発売以来、累計2000万台に、“サイバーショット携帯”は2006年夏の発売以来、累計450万台に達した。
フリント氏は、グローバル・マーケットにおけるトップ3という言葉を口にしたが、「トップ3という場合、一般的には携帯電話機の出荷台数シェアによって判断されることは理解している。いずれはシェアでトップ3をめざしたいが、当面は高価格機種にフォーカスを絞り、利益をあげることを優先する。利益を犠牲にして、シェアの拡大を図ることはない」と強調した。
質疑応答には、ソニー・エリクソンの2つの親会社から、ソニー(株)の会長兼CEOのハワード・ストリンガー(Howard Stringer)氏と英エリクソン(Ericsson)社の社長兼CEOのカール・ヘンリク・スヴァンバーグ(Carl-Henric Svanberg)氏も参加した。ストリンガー氏は、ソニー・エリクソンの成功について、「若い技術者たちが、新しいことを自由にやれた結果だ」と語った。また、スヴァンバーグ氏も「エリクソンの技術と、ソニーのデザインやマーケティングの力が、うまくかみあった」と評価した。
会場でデモが行なわれていた“ウォークマンケータイ”『W880』は、厚さ9.4mmというスリムさが特徴。設計やデザインは日本で行なわれており、メモリースティックDuoよりも小さく容量1GBの“メモリースティック マイクロ”に対応し、約900曲の楽曲を保存できる。音楽ファイルの再生形式はAAC/MP3などに対応。通信方式は、W-CDMAとGSM(900MHz/1800MHz/1900MHz)に対応する。そのほか、200万画素のデジタルカメラを搭載。
このW880は日本語も表示可能という。W-CDMAに対応しているため、日本ではエヌ・ティ・ティ・ドコモ(株)かソフトバンクモバイル(株)の回線網にて利用できることになる。シニア・バイス・プレジテントの坂口立考(さかぐち りっこう)氏に、W880が日本で発売されるのかを尋ねたところ、「ノーコメント」という回答であった。

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