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アドビ、新ビデオ関連プロダクト『DV Rack』と『Ultra』を発表──その用途と実用性に迫る!

2007年02月07日 19時37分更新

文● 斎賀和彦

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簡単操作で高品位なクロマキー合成できる『Ultra 2』

クロマキー合成といえば、別々に撮影した人物と背景の映像を合成する際に役立つ技術。撮影の際、青や緑など特定の一色を背景にし、編集時にその色をキーアウト(透明化)して別の映像を割り当てるというもので、例えばニュースの天気予報などでよく見られる。

ブルーバック(グリーンバック)を使ったクロマキー合成は、ほとんどの中〜上級ノンリニア編集ソフトに標準搭載されているベーシックな機能だ。しかし、それらの機能では満足いく結果の得られない分野でもある。

ハイエンド市場では『Keylight (キーライト)』や『Primatte (プライマット)』といった代表格が存在するが、操作が難しく、使いこなしには専門知識と慣れが要求される。

しかも、それにもかかわらずDVフォーマットは元々、輝度に較べて色の解像度に乏しく、思うようなキーイング(抜け)が得られない。

Ultra 2は、簡単な操作で高品質なキーイングが得られるのが最大の特徴だ。使用頻度は高いがキー抜きに不利なDVソースに対しても、優れた適応力をみせる実用性の高さにも注目したい。


動く髪の毛もきれいにキーイング

操作は抜きたい部分を順次クリックしていくだけというシンプルなものにも関わらず、アドビが行なったデモでは、風になびく長い髪の女性といったキーイングが難しい対象でもかなりキレイに抜けていた。

背景のグリーンを抜いたところ。デモで見た限り、髪の毛のディテールも十分に出ていたし、髪の向こうに透けるブルーや、顔のエッジに出るブルーの反射などのスピル抑制もよくできていたように思えた

さらに、これらの処理は、高速なグラフィックスカードを搭載している場合、リアルタイムに近い高速なプレビューが可能だ。作業の生産性は非常に高いと言えよう。

また、別売の素材集である『バーチャルセット』(基本セットは同梱されている)と組み合わせることで、ニュース番組風、トークショー風といったバーチャルセット合成が実現できる。合成の際、カメラ視点を変更できるのもポイントだ。視点移動はキーフレームでアニメーション化が可能で、バーチャルセットでの移動ショットも実現できる。

バーチャルセットを背景にセット(写真左)。さらに仮想セット上の巨大ディスプレーに映像を割り当てた(写真右)

従来の専門家集団による映像制作だけでなく、ウェブ上のビデオや予算の限られたビデオ制作でもクロマキー合成やバーチャルセットのニーズは高まっている。

そういう中、複雑な操作なしに高度な合成ができるUltra 2は、プロフェッショナルなユーザーはもちろん、映像制作に新規参入するクリエイターの大きな武器になろう。


4万8000円は高価か否か!?

ただし、実際のクロマキー合成作業では、ブルーバックの見切れや他のオブジェクトの写り込みを削除するために、ガベージマットやロトシェイプマスクといった切り抜き機能が欠かせない。

その辺りの機能については現状で機能の有無を含め、ポテンシャルが見えない。本格的な合成ワークに耐えるプロフェッショナルなツールになるか、お手軽な高品質ツールのポジショニングなのか、実際の製品での検証が待たれるところだ。

4万8000円という価格は、ハイエンドなキーイング製品に較べれば非常に安価だが、パーソナルユース用途としては高価だ。この価格の評価もまた、実際の製品のパフォーマンス次第といえよう。



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