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「オラクルはRFIDだけじゃない」 日本オラクル、イベント駆動型の“SOA 2.0”を実現する「Oracle EDA Suite」

2006年11月29日 00時00分更新

文● アスキービジネス編集部

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日本オラクルは、11月29日、イベント駆動型のシステム構築を実現するミドルウェアスイート「Oracle Event-Driven Architecture Suite」(EDA Suite)を発表した。RFIDなどのセンサが感知したイベントと基幹業務システムを連携させる製品で、製造・流通業を中心に売り込む。

さまざまなセンサのイベントと業務システムを連携

日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏

日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏

「EDAとSOAは切っても切れない関係にある。EDAとSOAを連携させた“SOA 2.0”を加速させていく流れにいよいよなってきた」(日本オラクル常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏)

 今回発表された「Oracle EDA Suite」は、ビジネス環境において発生するさまざまな事象(イベント)に基づいて企業内のシステムのプログラムやサービスを駆動させるための製品。たとえば航空業の場合、センサが感知した天候や予約状況をもとに運行状況を管理し、スケジュールや価格を設定し直す――といった、イベント情報から実際の分析・アクションにつなげる一連の処理を実現するミドルウェアだ。

 会見では三澤氏が、「人が情報を入力することはなくならないが、RFIDや電子マネーなど、自動的にデータが入力されることが一般化し、“イベント・ドリブン”なシステム構築が進む」と説明。こうしたシステムにおいては、「入力の正確性/自動化」「スピード処理」「大量のトランザクションに対する信頼性」の3つが求められているとした。

 これらのニーズに応えるため、Oracle EDA Suiteが備えるのは、「イベントの感知」「分析」「アクション」の3つの機能。具体的には、イベントを収集・管理する「Sensor Edge Server」、ビジネスルールエンジン「Busienss Rules」、イベントの配信を行なう「Enterprise Messaging」、プロセスモニタリングを行なう「Busienss Activity Monitoring」、SOAをベースにしたメッセージバス「Enterprise Service Bus」を組み合わせて提供する。

EDA Suiteが持つ「感知」「機能」「アクション」の各製品

EDA Suiteが持つ「感知」「機能」「アクション」の各製品

 Oracle EDA Suiteの優位性について、「競合ベンダーはRFIDばかり。オラクルはRFIDだけではなく、幅広いセンサに対応する。また、業務システムと連携していく仕組みを持っていることも大きな強み」(三澤氏)と説明。特にイベントを感知するセンサは、RFID以外にも電子マネーやバーコード、温度/湿度/振動/圧力といったハードウェアセンサに幅広く対応しており、非対応のセンサについても、SDKの提供によって対応が可能だという。

 また、業務システムとの連携については、同社のOracle SOA SuiteやERPパッケージへの対応をアピール。そのほか、「大量処理が可能なスケーラビリティ」「自動処理を可能とするルールベースのエンジン」「リアルタイム分析の実現」などがEDA Suiteのメリットとしている。

 価格は、750万円(税別)/1CPUからで、来年1月9日から出荷を開始する予定。今年度中に3社程度のパートナー企業と協業し、製造・流通系の企業を中心に「まずは10社のリファレンスカスタマーを獲得したい」(三澤氏)と意気込む。

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