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「Flash Lite 2.0」がau/ソフトバンクのケータイにも――アドビシステムズ、Flash Liteに関する説明会

2006年11月30日 00時00分更新

文● アスキービジネス編集部

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アドビシステムズは、11月30日、携帯電話向けFlashプレーヤの新バージョン「Flash Lite 2.0」に関する報道関係者向け説明会を開催した。併せて同日、KDDI(au)およびソフトバンクモバイルの最新機種にFlash Lite 2.0が採用されたことを公表している。

モバイル端末への採用が進むFlash Lite

 「Flash Lite」とは、2003年にアドビ システムズ(当時はマクロメディア)が、PC版の「Flash Player 4」をベースに携帯電話向けに軽量化し、開発したもの。今年1月に発表された新バージョンの「Flash Lite 2.0」では、ベースとなるFlash Playerのバージョンを4から7に変更し、ActionScript 2.0に対応した。また、「SharedObject」に対応したことで、Flashコンテンツが生成したデータを端末側に保持することが可能になっている。  同社のプロダクト&セールスエンジニアリング部のモバイル&デバイス担当セールスエンジニアの岡田 学氏は、「開発者はこれまで、PC版に比べて古いバージョンの開発環境を使わなければならなかった。また、データの保持を実現するためにはJavaが必要だった。これらが解消されたのが2.0を使う開発者側のメリット」と語る。

プロダクト&セールスエンジニアリング部 モバイル&デバイス担当セールスエンジニア 岡田 学氏

プロダクト&セールスエンジニアリング部 モバイル&デバイス担当セールスエンジニア 岡田 学氏

 今回、アドビ システムズでは、Flash Lite 2.0がKDDI(au)とソフトバンクモバイルの端末に搭載されたことを発表した。au端末では、「W45T」「W43CA」「W43H」などの11機種に搭載され、プッシュ型情報配信サービス「EZニュースフラッシュ」や「天気待ち受け画面」、ゲームコンテンツなどで利用。ソフトバンクモバイルでは、「910SH」「810SH」などの7機種に搭載されており、ポータルサイト「Yahoo!ケータイ」のトップメニューや、アニメーション/ゲームなどのコンテンツに採用されている。

米アドビ システムズ モバイル&デバイス担当 ディレクター アヌープ・ムラーカ氏

米アドビ システムズ モバイル&デバイス担当 ディレクター アヌープ・ムラーカ氏

 説明会では、米アドビ システムズのモバイル&デバイス担当 ディレクターのアヌープ・ムラーカ氏が、「Flashは世界の150種類以上の携帯電話に搭載され、家電を含む出荷台数では1億1500万台を超える」と説明。代表的な成功事例として、すでに700万人以上が利用しているというNTTドコモの「iチャネル」を紹介した。また、「Flashは、ダウンロード可能なコンテンツだけでなく、あらゆるモバイル機器のユーザーインターフェイスにも採用されている」と述べ、現在地や時間帯によって待ち受け画面などが変わるサムスン製の携帯電話端末の例を紹介した。

 今後の展開について、ムラーカ氏はモバイル端末向けにFlashコンテンツを配信するサーバソリューション「FlashCast」とFlash Liteを合わせて推進していく考えを強調。コンテンツ利用以外にも、先に紹介したサムスン製端末などで採用されている「アクティブホームスクリーン」や、あらかじめ端末に配信したFlashコンテンツのキャッシュから好みのものを閲覧できる「On-Deviceポータル」などの利用を紹介した。また、「現時点では処理能力、メモリ容量の問題から実現できていない」(ムラーカ氏)ものの、今後はPC版のFlash Playerとのバージョン統一も目指すという。

「Flash Lite 2.0」がau/ソフトバンクのケータイに も――アドビシス...
「Flash Lite 2.0」がau/ソフトバンクのケータイに も――アドビシス...

Flash Liteで構築されたUIの例(左)と、Flickrの最新データをFlashCastで配信したデモ(右)

 ムラーカ氏は最後に、「アドビはFlash Lite 2.0によって、『PCとの一貫したエクスペリエンス(体験)』『100万人を超えるデザイナーと開発者によるエコシステム』『開発期間の短縮による効率性』の3つのメリットを提供できる」とアピールした。

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