日本テレロジックは、1月31日、東京都内で会見し、EA(エンタープライズアーキテクチャ)/ビジネスプロセスモデリングツールの新版「Telelogic System Architect v10.5 日本語版」を発表した。同日から出荷を開始する。
EA市場拡大へ向けて日本語版を投入
「Telelogic System Architect」は、エンタープライズアーキテクチャ/ビジネスプロセスモデリングの設計・可視化・分析・公開を行なうソリューション。テクノロジーやプロセス、データ間の関連性を把握し、ビジネスプロセスの改善を実現する。
新バージョンでは、System Architectのリポジトリ内のオブジェクトを検索し、関連を視覚的に表示する「エンタープライズ・エクスプローラ図」機能を搭載した。同機能では、組織変更を行なう際のシステムへの影響などを直感的に分析できるという。また、ビジネスの戦略、目標、ルールなどとITシステムをグラフィカルなモデル図で関連づけて定義する「エンタープライズ・ダイレクションダイアグラム」が追加された。
そのほか、英国国防省のアーキテクチャフレームワーク「MoDAF」や米国国防総省の「DoDAF1.0」規格に準拠した「DoDAD ABM」をサポート。Webベースのビジネスプロセス分析ソリューション「System Architect/XT」や、System Architectのデータを経営層向けのWebページとして出力する「System Architect/Web Publisher」も用意した。
また、本バージョンでは、すべての機能において日本語をサポート。ヘルプやチュートリアルの一部を除き、日本語にローカライズした。スウェーデン・テレロジックのストラテジストであるジャン・ポプキン氏は、「エンタープライズアーキテクチャの肝はコミュニケーション。日本においては、日本語に対応しているということが非常に重要」と強調。「今後の新バージョン投入では、(日本語版の)海外との同時リリースを約束する」と話した。
System Architectの価格は、クライアント数でカウントするノードロックライセンスが34万4900円/1ライセンス。同時接続数で数えるフローティングライセンスは85万6800円/1ライセンスからとなる。
同社では、既存ユーザーのバージョンアップを促すと同時に、官公庁や通信キャリア、大手電機メーカーなどへ向けて売り込む。初年度の販売目標は5000万円。
テレロジックは、1983年に設立されたスウェーデンのソフトベンダー。構成管理ツール「Synergy」や要件管理ツール「DOORS」などの製品を抱え、日本では1988年から代理店経由での販売を開始。1998年には現地法人である日本テレロジックを立ち上げ、国内市場への取り組みを本格化させた。同社の代表取締役社長である粟倉 豊氏は、「ビジネスモデリング/EAツールの日本語版投入は、EA市場での成長へ向けた重要なステップになる」と述べた。