インテル、マイクロソフト、ビットワレットの3社は、2006年6月に立ち上げた「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」の進捗説明会を開催し、FeliCaを用いた電子商取引の現状について説明した。
3社協同でFeliCaの普及を目指すプロジェクト
インテル、マイクロソフト、ビットワレットの3社は、2006年6月に「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」を発足させた。同プロジェクトは、非接触ICカード技術「FeliCa」で実現する個人認証や小額決済の仕組みなどをベースにした電子商取引の普及を目指したものだ。そして発足後半年が経過した本日、プロジェクト進捗の説明会が行なわれた。
はじめにインテルの事業開発本部 本部長の宗像義恵氏が、プロジェクト発足時に掲げた数値目標とその達成度を報告した。同プロジェクトでは、発足から1年間で(1)対応サービス数を2倍、(2)対応ハードウェア出荷数を3倍、(3)FeliCaを用いたオンライン取引高を2倍に向上するという目標を掲げていた。
このうち対応サービス数については、半年間で早くも目標を達成しており、12月1日現在で3000サイトに達しているという。また取引高については、現在、目標の約60%、つまり半年で昨年の1年分以上に達しており、こちらも順調と言える。一方、対応ハードウェアの出荷数は目標の25%にとどまっているが、宗像氏は国内メーカーがリリースした今冬のモデルには、FeliCaリーダー/ライター搭載機がラインナップされており、これから伸びていくタイミングであると語り、目標達成に自信を示した。実際、2006年10月単月の出荷数は前年比4倍に増加(ソニー調べによる)しており、出荷数は上昇傾向にあると言える。
インテルはFeliCa普及のためにさまざまなプロモーションを行なっており、量販店と協力したエンドユーザー向けのイベントや、川口市で行なわれている実証実験、シニア層向けのタッチパネルを備えたノートPCプラットフォームなどが紹介された。
新たなターゲット顧客層は「40代以上主婦」「シニア女性」
続いてビットワレット 執行役員常務の宮沢和正氏が登壇し、FeliCaを用いた電子マネー「Edy」の利用件数が順調に伸びていることを説明した。2005年の年間利用件数は1億3000万件を超えており、また2006年11月の単月利用件数は1500万件に達しているという。ビットワレットでは、今後もさまざまなキャンペーンを行ない、Edyの販促を続けていく。Edyはスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどリアル店舗での普及も進んでおり、今後はリアル店舗のユーザーをいかにネット取り引きに誘導するかがさらなる普及の鍵となる。同プロジェクトでは「40代以上主婦」や「シニア女性」を有望な潜在顧客ターゲット層とし、ネットでのEdy利用に誘導するさまざまな企画を検討しているという。
最後にマイクロソフト戦略技術室の室長 佐野勝大氏が登壇した。2007年1月30日に一般向けリリースが始まるWindows VistaでもFeliCaのサポートが進んでおり、Vista上でも確実な認証・決済技術としてFeliCaを利用可能であると説明した。
現在、電子マネーシステムにはさまざまな方式が登場しており、Edyにライバルは多い。しかし宗像氏はこの現状に対して「電子マネーの消費者への認知度が向上することで、利用総額も増加する」と語る。また複数のシステムのデバイスで利用できる共用端末の開発が行なわれており、利用者/店舗の両方にとって利便性が向上し、さらなる電子マネーの利用拡大が期待できるという。2007年以降もこの傾向は続いていくだろう。
- ■関連サイト
- インテル株式会社
- http://www.intel.co.jp/
- ビットワレット株式会社
- http://www.edy.jp/
- マイクロソフト株式会社
- http://www.microsoft.com/japan/