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iPhoneは大きな森を生み出す「最初の木」(前編)

2007年01月25日 00時00分更新

文● ITジャーナリスト 林信行

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待望されていたiPhone


 iPhoneはデジタル時代のライフスタイルブランドを目指すアップルにとって最も重要な一歩であると同時に、最も期待されていた一歩でもある。

iPhone

「iPhone」

 2001年1月のMacworld Expoで、ジョブズはデジタルライフタイル時代の到来を予言し、われわれの生活がいかに多くのデジタル機器に囲まれているかを紹介した。

 パソコンを中心に、何種類かのデジタル機器が並べられたスライドが映し出されたが、その中には携帯電話や他社のMP3プレーヤーに混じって、携帯電話機の写真もあった。

 ジョブズのプレゼンは、「パソコンがこうしたデジタル機器と連携するハブ(中枢)となることで、より豊かなデジタルライフスタイルが実現する」という宣言であり、デジタル機器の普及は最終的にパソコンの存在感にとってもプラスになることも告げていた。

 iPhoneがiPod同様に、パソコンとの連携を前提にした携帯電話であることを思い出してほしい。アップルの考えは、2001年からまったくぶれていない

 初代iPodの発表時には、「デジタルライフスタイル戦略を実践するにあたって、パソコンソフトだけでなく、パソコンとうまく連携するハードを開発することも重要だと気がついた」と語っていた。

 その後、何度かのアップル社重役インタビューでは、「iPodの次には、どんなデジタルライフスタイル製品をつくろうとしているか」というのが定番の質問だった。

 われわれマスコミの多くが、アップル製のデジタルカメラや携帯電話機の登場を期待した。しかし、やがてiPodのビジネスが音楽販売にまで広がると、人々はこの大きな枠組みのことを忘れ、今ある枠組みの中身、つまりiPod事業だけに注目するようになっていた。

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