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ケータイで地図情報を有効活用――日立ソフト、「GeoMation/ケータイ」を発売

2006年12月13日 00時00分更新

文● アスキービジネス編集部

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日立ソフトウェアエンジニアリングは、12月13日、企業向け携帯電話GIS「GeoMation(ジオメーション)/ケータイ」を発表、同日から販売を開始した。

地図と業務情報を結びつけたエンタープライズシステム

日立ソフト執行役 公共社会システム事業部長 盛永啓志氏

日立ソフト執行役 公共社会システム事業部長 盛永啓志氏

 「GeoMation/ケータイ」は、携帯電話端末から企業内のGIS(Geographical Information Systems:地理情報システム)データにアクセスできる携帯電話向けアプリケーション。同社が販売しているクライアント/サーバ型GIS「GeoMation」と連携し、携帯電話から地図や業務情報の閲覧・更新を実現した製品だ。

 GeoMationは、企業が持つさまざまな業務情報と地図を結びつけて利用するソリューションで、具体的な事例としては、電気・水道・ガスなどのインフラ事業者の設備管理・保守に採用されている。たとえば、作業エリアの策定や作業状況の登録をGeoMation上で行なうことで、保守作業の計画から現状把握までを視覚的に実現できる。

 ただし、従来は、「企業内のPCから閲覧したり、PDAなどの端末に必要なデータのみを切り出して運用していたため不便だった」(同社執行役公共社会システム事業部長の盛永啓志氏)として、今回、携帯電話版の開発に踏み切った。

カメラ付きケータイで撮影した画像も登録可能

 携帯電話版であるGeoMation/ケータイは、NTTドコモやKDDI(au)の携帯電話端末上で動作するアプリケーションで、社内であらかじめ登録した情報の閲覧だけでなく、携帯電話からのリアルタイムの更新も可能となっている。前述の活用例でいえば、保守作業を終えた作業員が携帯電話から作業完了のステータスを登録し、社内外で常に最新のGISデータを活用できるのがメリットとなる。

GeoMation/ケータイで地図を表示したところ(上)。地図上のアイコンが表示されている場所を選択すると登録済みの業務情報(下)が表示される

GeoMation/ケータイで地図を表示したところ(上)。地図上のアイコンが表示されている場所を選択すると登録済みの業務情報(下)が表示される

 開発にあたっては、「いかに簡単に使ってもらえるかに主眼を置いた」(同社)として、検索・絞り込み機能や携帯電話と連動した機能を充実させた。表示する地図の絞り込みには、住所検索やブックマーク(サーバにあらかじめ登録したエリア)に加えて、携帯電話に搭載されたGPS機能にも対応。現在地を中心としたエリアの表示が可能だ。また、社内のGeoMationクライアントから携帯電話宛てにメールを送信し、作業エリアを指示することもできる。加えて、携帯電話のカメラ機能を利用できるのも特徴だ。テキストによるステータス登録に加えて、現場の状況を画像として地図に結びつけて残すことが可能となる。

ケータイのカメラから撮影した画像データを地図上に登録し、PC版のGeoMationで表示

ケータイのカメラから撮影した画像データを地図上に登録し、PC版のGeoMationで表示

 セキュリティ面では、社内サーバと携帯電話間の通信にSSLを採用したほか、サーバへのアクセスにはベーシック認証を使用する。また、各キャリアが用意する端末認証によって該当端末以外からのアクセスを禁じたり、必要に応じてキャリアと企業間を結ぶ専用線サービスを導入することで、さらにセキュリティを強化できる。

 対応端末は、NTTドコモの903iシリーズ、KDDI(au)のW42CA/W43H/W43SA(au)など。今後、ソフトバンクやウィルコム端末についても「ニーズを見極めながら対応を検討したい」(同社)としている。

 価格は71万4000円/月(100ユーザー)で、出荷開始は3月1日から。導入にあたってはすでにGeoMationを導入していることが前提となる。

 日立ソフトは、従来のGeoMationの主な顧客であるインフラ事業者に加え、保険業や金融機関、不動産業などの営業支援や、防災・災害対応などへの利用拡大を狙い、シリーズ全体で年間5億円の売上を目指す。

■関連サイト
日立ソフトウェアエンジニアリング
http://www.hitachi-sk.co.jp/

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