ネットワーク経由のコンテンツ配信を手がけるアカマイは、19日に都内で記者説明会を開催し、次世代ゲームコンソールのWii(任天堂)とPLAYSTATION3(SCEI)のゲームコンテンツ配信プラットフォームとして、同社の技術が採用されたことを発表した。
次世代ゲームコンソールのコンテンツ配信を手がけるアカマイ
アカマイはネットワークを介したコンテンツ配信を手がける企業だ。同社のシステムの特徴は、世界中に設置した2万台以上のサーバを用いた分散デリバリー方式により、極端にアクセスが集中する際の膨大なトラフィックに対応できる点、およびコンテンツの地域制御が可能な点にある。同社が手がけるコンテンツ配信サービスの一例として、短時間にきわめて多くのアクセスが集中する「Microsoft Update」が挙げられる。
そして19日、アカマイは、国産の次世代ゲームコンソールである任天堂のWiiとSCEIのPLAYSTATION3が、ともにゲームコンテンツ配信のプラットフォームとしてアカマイの技術を採用したことを発表した。
アカマイ株式会社代表取締役社長の小俣修一氏は、同社の強みとして、1998年の創業から莫大な投資で築き上げた分散デリバリーネットワークを挙げる。実際、2003年までアカマイは赤字であり、これほどの投資に追従できる企業は他になかったという。そして、これまで競合と言えた企業はいくつかあったが、インクトミはヤフーに、デジタル・アイランドはケーブル&ワイヤレスに、スピーデラはアカマイ自身に買収された結果、ワールドワイドでコンテンツ配信を手がけているのはアカマイだけとなり、シェア8割を占めることになったと語る。
続いて、米アカマイ・テクノロジーズ 上級製品マネージャのクリス・アレクサンダー氏が登壇し、PLAYSTATION3やWiiを含むゲーム業界のトレンドについて説明した。アレクサンダー氏によれば今後もマーケット拡大は継続し、2010年には460億ドルに達すると予測、この牽引力となるのがゲームのネットワーク配信であると語った。
そしてアカマイの技術を用いたゲーム配信の事例として米ターバイン社の「Dungeons and Dragons」や「The Lord of the Rings Onlnie」などが紹介された。
今後もPCやゲームコンソールに限らず、ネットワークでコンテンツを配信する必要のあるデバイスは増えていくと予想される。アクセス集中への対応や、地域ごとの配信制御といった仕組みを備えたアカマイの配信ネットワークの重要性は増していくだろう。
- ■関連サイト
- アカマイ株式会社
- http://www.akamai.co.jp/
- PLAYSTATION3
- http://www.jp.playstation.com/ps3/
- Wii
- http://wii.com/jp/