ドコモは“金融”中心の経済圏拡大が急務
ソフトバンクはヤフーを中心にスマホ決済サービス「PayPay」で一気に国内シェアを獲得。さらにLINEを買収することで、LINE、ヤフー、PayPayという3つのサービスで、国内の顧客接点の多さで圧倒的に強いポジションを築きつつある(ただ、LINEの個人情報流出問題で、ID統合などは暗礁に乗り上げているが)。
KDDIはコンビニ大手「ローソン」に出資し、ネットだけでなくリアルの世界にまで「経済圏」を拡大しようと目論む。
NTTドコモが特に他陣営に後塵を拝しているのが金融だ。
楽天グループはポイントを中心にカード、銀行、証券、ECといった強固な経済圏を築いている。
ソフトバンクもPayPayにPayPay銀行やPayPay証券を盛り込むなど「金融スーパーアプリ化」が進んでる。
KDDIはケータイが全盛のころから三菱UFJ銀行と共に「auじぶん銀行」を設立。いまではauフィナンシャルホールディングスにauカブコム証券を筆頭とした資産運用や保険代理業、貸金業などを有している。
NTTドコモでは、2020年に起こったドコモ口座の不正利用問題により、金融事業から距離を置いていたが、2023年10月にマネックス証券の子会社化、今年3月にはオリックス・クレジットを同じく子会社化を発表している。
マネックス証券子会社化の記者会見では前田氏も登壇するなど、同氏にとって金融を中心にしたドコモ経済圏の拡大が急務なのは間違いない。
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