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健康管理におけるデジタル活用についても

平均寿命1位の日本人、本当に健康なのか?

2023年12月21日 17時00分更新

文● ASCII

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健康管理にデジタルツールを活用する割合も最下位

 「健康管理にデジタルツールを活用している割合」という項目もあった。これも日本が最も低く、およそ4割。最も高いのは中国で、8割以上の回答者が、健康管理にデジタルツールを活用しているということだった。日常でスマートウォッチやスマートバンドを着用している人を見かける機会は少なくない気もするが、調査によれば、この点でも他国に比べると低いスコアとなったようだ。

健康管理にデジタルツールを活用している割合

 「デジタル化やデータ活用が広がることで期待できること」についての質問では、「病気の早期発見/早期治療」「自分の健康管理」「より適切な治療が受けられる」の項目の回答割合が、6ヵ国で全体的に高かったが、日本は多くの項目で回答割合が他の5ヵ国を下回っている。他国では回答割合がおよそ2〜5割と、ボリュームに幅がありつつも、「治療精度の向上」や「自分の情報を医療者に伝えやすくなる」「国の医療費の最適化につながる」といった回答に人気が集中した。

治療法に主体的に関与したいか否か?

 「治療法を検討する際の主体的関与に対する意識」については、「主体的に関与できる(できる+少しはできる)」と「主体的に関与したい(そう思う+ややそう思う)」のいずれにおいても、日本は6ヵ国中最も低く、7割以下という結果に。「関与できる」の割合が最も多かったのはアメリカで89.6%、「関与したい」では中国で93.8%だった。

治療法を検討する際の主体的関与に対する意識

 今回の調査を監修した京都大学大学院医学研究科健康情報学の中山 健夫教授は、「健康・医療情報を理解して活用する力はもちろん大事ですが、『自分が大切にしていること』を理解し、理想とする人生のために必要な行動を中長期的に考える力も大切なポイントです。健康・医療においては、『目の前に起きている事象・状態』に対処することは確かに重要ですが、『自分はこうありたい・あるべきだからこの事象・状態を変えていきたい(またはこのままでいい)」といった、人生100年時代を生きる上で少し長期的な思考を持つことも有用な場面があります(抜粋)」とコメントする。

長く健康でいるために、できることは

 今回のアンケート調査を総括すると、日本人の健康に関する意識は、他国と比較して高くはないということになるだろう。回答から推測するに、私たちは全体的に、健康管理に対する意識がないわけではないが、主体性を持って情報を集めたり、医療の現場で治療に意見を持って関わる姿勢を持ったり、明確な意図を持ってデジタル製品を健康管理に役立てていくという意識は、他の5ヵ国よりも薄いということになりそうだ。

 デジタル情報サイトとしてコメントするなら、スマートウォッチやスマートバンドを活用した健康管理は、取り入れていないなら、ぜひともおすすめしたいところ。自分が日々どれくらい動き、眠ったのか。その際のコンディションがどうだったのかが、自動的に記録され、手元のスマートフォンでいつでも参照できるのは心強いものだし、大きな健康上のトラブルが起きていないかどうかを早めに知れる目安にもなる。

 健康は、誰しもにとって生きていれば向き合わざるを得ないテーマで、寿命が尽きるまで終わりはない。5年後、10年後、20年後の健康を考えたときに、今日できることはあるか。変えられることは何で、変えられないことは何か。年末年始の休暇に、向き合って考えてみるのもいいかもしれない。

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