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最新パーツ性能チェック 第430回

Zen 4世代で性能が爆上がり!Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証速報

2023年11月22日 09時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラハッチ/ASCII

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検証環境は?

 今回の検証環境は以下の通りだ。Threadripper 7980Xと7970Xとの比較対象として、前世代(非PRO)の3990Xと3970X、そしてメインストリームの最上位から「Ryzen 9 7950X」と「Core i9-14900K」をチョイスした。

 Threadripper 7000シリーズと3000シリーズはコア数は変わっていないものの、CPUアーキテクチャーがZen 2からZen 4へと1世代飛び越えているため、相当な性能のジャンプアップが期待できる。Ryzen 9 7950Xに対しては同じアーキテクチャーだが、コア数が多いThreadripper 7000シリーズはマルチスレッド性能において圧倒的有利に立つはずである。

 GPUは「Radeon RX 7900 XTX」を使いたかった所ではあるが、筆者のセットアップではトラブル続きだった(特にThreadripper環境)ため、「GeForce RTX 4090」で検証している。

 また、今回メモリーとストレージについては一貫性に欠ける部分がある点をお詫びしたい。ストレージに関しては旧Threadripper環境のみ、PCI Express Gen5のモジュールを組み込むと突然見失うトラブルに見舞われたため、あえてGen4のモジュールを使用した。

 最後にセットアップだが、Windowsは最新の23H2を、Secure BootやResizable BAR、メモリ整合性、HDRといった設定は全てオンにして検証している。GPUドライバーはStudio Driverの最新版(546.01)を使用した。

【検証環境:新Threadripper】
CPU AMD「Ryzen Threadripper 7980X」
(64コア/128スレッド、最大5.1GHz)、
AMD「Ryzen Threadripper 7970X」
(32コア/64スレッド、最大5.3GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「Pro WS TRX50-SAGE WiFi」
(AMD TRX50、SSI-CEB、BIOS 0217)
メモリー G.Skill「F5-6400R3239G32GQ4-ZR5NK
(32GB×4、Registered DDR5-5200動作)
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」
(2TB M.2 SSD、PCIe 5.0)
ビデオカード NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80 PLUS PLATINUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2)
【検証環境:旧Threadripper】
CPU AMD「Ryzen Threadripper 3990X」
(64コア/128スレッド、最大4.3GHz)、
AMD「Ryzen Threadripper 3970X」
(32コア/64スレッド、最大4.5GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG Zenith II Extreme」
(AMD TRX40、E-ATX、BIOS 1802)
メモリー Corsair「CMN32GX4MN2Z3600C16」
(16GB×4、DDR4-3200)
ストレージ Micron「CT2000P5PSSD8JP」
(2TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
ビデオカード NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80 PLUS PLATINUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2)
【検証環境:Ryzen】
CPU AMD「Ryzen 9 7950X」
(16コア/32スレッド、最大5.7GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI」
(AMD X670E、ATX、BIOS 1709)
メモリー Micron「CP2K16G56C46U5」
(16GB×2、DDR5-5200)
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」
(2TB M.2 SSD、PCIe 5.0)
ビデオカード NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80 PLUS PLATINUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2)
【検証環境:インテル】
CPU インテル「Core i9-14900K」
(24コア/32スレッド、最大6GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG MAXIMUS Z790 HERO」
(インテルZ790、ATX、BIOS 1501)
メモリー Micron「CP2K16G56C46U5」
(16GB×2、DDR5-5200)
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」
(2TB M.2 SSD、PCIe 5.0)
ビデオカード NVIDIA「GeForce RTX 4090 Founders Edition」
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80 PLUS PLATINUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2)

 時間的制約の関係で今回お見せできるのは「CINEBENCH 2024」のみだ。これはプロセッサーグループの壁を越えるように設計されているため、Threadripper 7980Xのパフォーマンスの全てを使い切ってくれるだろう。

CINEBENCH 2024:CPUテストのスコアー

 Zen 2世代のThreadripper 3990Xと最新Zen 4世代のThreadripper 7980Xはコア数において同じだが、マルチスレッドのスコアーにおいて1.4倍増という凄まじい結果を見せた。Ryzen 9 7950XやCore i9-14900KもメインストリームCPUとしては最速クラスだが、Threadripper 7980Xは約2倍。

 コア数比(16コア対64コア)で考えるとスコアーの伸びがかなり鈍いのは確かだが、消費電力という制約がある以上これは仕方のないところだ。

 そして注目すべきはThreadripper 7970Xと3990Xのマルチスレッドのスコアーがほぼ並んでいるどころか、7970Xの方が少し高いということ。アーキテクチャーの差はコア数2倍というハンデをいとも簡単にひっくり返してしまった訳である。

 シングルスレッド性能もZen 2世代のThreadripper 3000シリーズから見ると1.5倍程度伸びているが、この点においてはメインストリームのRyzen 9 7950Xにはやや劣っている。Threadripper 7970Xの方が7980Xよりもシングルスレッド性能がわずかに高い点は覚えておくとよいだろう。

後編はまもなく……

 今回は時間と体力の都合上ここまでとしたい。後編に向けて今この瞬間も、横でベンチマークが周り続けている。後編はクリエイティブ系やゲーム、そして消費電力など、様々なベンチマークをご覧戴けると思う。

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