柚希礼音の成長を促したターニングポイントとは?イベント「brand new ME!」で講演

文●平井 あゆみ

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 女性たちの新しい生き方(=ライフシフト)を応援するイベント「brand new ME!(ブラン・ニュー・ミー) 40代・50代から選ぶ新しい生き方」が、2023年8月19日に東京ミッドタウン日比谷のBASE Qホールにて開催。元宝塚歌劇団星組トップスターで、現在は女優として活躍中の柚希礼音が登壇し、「自らが変われば、世界も変わる」を講演した。

元宝塚歌劇団星組トップスターで、現在は女優として活躍中の柚希礼音が登壇

 これまで、20THアニバーサリーに20年分の思いを込め撮り下ろした写真集「柚希礼音写真集 ETERNITY」や、エッセイ「夢をかなえるために、私がやってきた5つのこと」(いずれもKADOKAWA)を刊行している柚希。今回のイベントでは、著書の内容を深掘りした話をはじめ、自身の“ライフシフト”などについて語り尽くした。

「自らが変われば、世界も変わる」を講演した 柚希礼音

 まずは、“人生最初のライフシフト”となった宝塚歌劇入団前のことについて話した柚希。「クラシックバレエでバレリーナになることを夢見ていたので、バレエ留学をあきらめて、そこから宝塚歌劇に入団するというのは、人生の一番のライフシフトでしたね。宝塚はあまり見たこともなかったのですが、両親の勧めもありましたし、“すごく踊れるところ”ということで受験しまして。そして、入団してからは『本当に入って良かった』と思いました。授業は、朝から晩まで芸事だけのレッスンで。幸せでしたね」と振り返り、「そこで私は、ダンス全般が好きなんだということにも気付けました」と、人生の転換期に新たな発見があったことを明かした。

 また、宝塚時代に大きなライフシフトとして経験したできごととして、単独公演の「REON!!」を行ったことについても触れた。「様々な作品でいろんな役を演じてきましたが、トップになったらコンサートをするということになりまして。それまで私は、『カッコイイ男役にならねばならない』『稽古場から娘役にキャーキャー言われていなければならない』と思っていたので、単独公演も、できればすごくカッコイイものにしたい!と考えていたのですが、(演出家の)藤井大介先生が『作詞をしてみたら?』とか、いろいろ提案してくださって。“全部カッコイイ”だけのショーでは成り立たないので、いろいろな自分を出す構成にしたんです。でも、お客さまに見せたことのない自分だったので…。『これは見せていい私なのか?』とも考えましたが、ひたすら大介先生を信じて。やってみた結果、ファンの皆さまが、それをすごく受け入れてくれて、むしろ、それ以前の私とよりも、より心がつながった感じになって。『REON!!』コンサートはターニングポイントになりました」と、固定概念を捨てることで、新たな自分に出会えた体験を回顧。ステージから、来場したファンたちとアイコンタクトを取り、絆を感じさせる場面もあった。

 そして、“ミスター・ブロードウェイ”と呼ばれるブロードウェイの巨匠、ハロルド・プリンスの作品に参加するため、単身ニューヨークへ渡った3カ月間の武者修行も振り返った柚希。この経験については「本当に刺激的でした。アメリカの皆さんは本当にプロフェッショナルなので、歌稽古の時点で本番のように上手いですし。厳しい面も感じました。また、いろいろなところで行われているオーディションには、それを受けるための人で長蛇の列ができていて。スタイルがよくて、素晴らしくカッコイイ人がみんなオーディションを受けていて、世界は本当にすごい!と思いました」と、刺激を受けたアメリカ生活についても語った。

宝塚退団後は舞台に挑戦した柚希

 最後に、さまざまな“ライフシフト”を経てきた柚希は、“今だから気付けた大切なこと”についてもコメント。「宝塚での経験を得て、『あのとき頑張れたんだから、もっと頑張れるはず』という体育会系の考え方をしがちなんですが、それはやめようと思いました。年齢を重ねているので、ちゃんと自分を大切にしないとダメだなと。今、嫌なのか心地いいのかを自分に聞いたり、自分を甘やかしたりして過ごさないといけないんだなと、やっと思うようになれたんですよ。なにをしたらうれしくて幸せなのか。自分を楽しませるのは、自分が一番できることなんだなと思います」と、現在の心境を熱弁。具体的なリフレッシュ方法として「1泊でも2泊でも、ちょっと旅をしたら、家でダラダラ寝ているよりも次を頑張ることができる気がする。それができなくても、ベランダやリビングを充実させたりするだけで楽しくなる。とにかく自分にご褒美をあげながら過ごしています」と話していた。

「自分を楽しませるのは自分が一番できること」と話していた

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