このページの本文へ

JAXA、X線観測衛星「XRISM」と月着陸機「SLIM」打ち上げに成功

2023年09月07日 09時48分更新

文● MIT Technology Review Japan

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2023年9月7日8時42分に鹿児島県種子島宇宙センターにおいて、X線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」および小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」を搭載した「H-IIA」ロケット47号機を打ち上げた。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2023年9月7日8時42分に鹿児島県種子島宇宙センターにおいて、X線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」および小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」を搭載した「H-IIA」ロケット47号機を打ち上げた。 XRISMは、JAXAが米国航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)と覚書を結んで進めている国際共同プロジェクトである。X線望遠鏡「XMA」、X線光子のエネルギー分布を測定するX線マイクロカロリメーター「リゾルブ(Resolve)」、天体の形や明るさの分布を調べる軟X線撮像検出器「エクステンド(Xtend)」を搭載。地球周回低軌道(高度約550キロメートル)に投入し、星や銀河、そしてその間を吹き渡るプラズマを観測して、宇宙の大規模構造の成り立ちや、天体間を行き交う元素とエネルギーの流れの詳細を明らかにする。 SLIMでは、将来の月惑星探査に必要なピンポイント着陸技術を研究し、それを小型探査機で月面において実証する。「画像照合航法」および「自律的な航法誘導制御」を用いて、従来の月着陸精度である数キロメートル~10数キロメートルに対し、100メートルオーダーのナビゲートを目指す。さらに、小型・軽量で高性能な化学推進システムや計算機や電源システムの軽量化により、軽量な月惑星探査機システムを実現し、月惑星探査の高頻度化に貢献する。

(中條)

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ