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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第724回

Ryzen Pro 7000シリーズを発表、Ryzen AIはWindows 11で対応済み AMD CPUロードマップ

2023年06月19日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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Ryzen ProとRyzenの違いは
AMD Proの有無

 ところで今回発表の合計9製品のコンシューマー向けとの違いはAMD Proの有無である。ただAMD Proそのものに関しては特に従来からの大きな変更はない。

 もちろんZen 3からZen 4になったことで、例えばメモリー暗号化のキーをより多く持てるようになったり、暗号化にAES-256を利用可能になったりなどの拡張があり、これは今回のRyzen Proでもそのまま引き継がれているが、これらは内部的なものであり、外部(例えばAMD Proセキュリティを利用する管理ソフトウェアなど)から見ると違いはないという話であった。

 また「将来的には」AIを利用したセキュリティ対応なども考えているようだが、少なくとも現時点では具体的になにかが実装されている、という話ではないとのこと。

 現状ではAIアクセラレーターを搭載しているのはモバイル向けのRyzen Pro 7040シリーズだけで、Ryzen Pro 7000シリーズは未搭載なので、実装の準備を始めるには適切であっても実装してそれを公開するにはまだ不向きだろう。

Ryzen 7040シリーズのAIエンジン「Ryzen AI」は
すでにWindows 11に対応済み

 話のついでにRyzen AIについて。Ryzen 7040シリーズには専用のAIアクセラレーターであるRyzen AIが搭載されるが、このRyzen AIの正体はもともとXilinxがVersal ACAPシリーズのうち、Versal AI Core/Versal AI Edgeで搭載したAI エンジンと呼ばれるものである。

 このAIエンジンの詳細は連載674回で説明したとおりだが、今回ちょうどビジネス・クライアントの説明があった折に確認したところ、Ryzen AIとして搭載されているものはVersal AI Edgeと同じ第2世代のAIエンジンとのことだった。

Ryzen AIは第2世代のAIエンジン。10TOPSということはVersal AI EdgeのVE2102と同程度ということになるが、VE2102は12 Tileで10TOPSを実現しており、今ひとつ図と辻褄が合わない。この図がコンセプトという可能性はあるが……

 それはともかくとして、すでにWindows 11がこのRyzen AIに対応していることが今回説明された。

Windowsの設定画面。Ryzen AIがない場合、そもそもこのカメラエフェクトの項目が出てこないそうだ(実際手元のマシンでは出てこなかった)

エフェクト未使用の場合。フレーミングがおかしいし、視線も逸れてるし、背景もそのまま

エフェクトをフルに使うと、きちんとフレーミングされ、カメラ目線となり、背景に綺麗にブラーがかかる

 今年1月の発表時、まだソフトウェアスタックは不十分であり、モデルも少なかったが、現在はソフトウェアスタックもそろい、またWindows MLから呼び出して使うことも可能になったとしている。

 Windows MLで思い出したのだが、「Windows MLがRyzen AIで動作するということは、つまりRyzen AIを使ってXeSSが実行できるということか?」と確認したところ「技術的には可能なはずだが、実際にゲームでそれが可能かどうかはゲーム側の実装による」という返事が返ってきた。一度試してみたいものである。

当初はVITIS AIを使って開発という話だったが、今ではきちんとWindows MLにも対応するようになったそうだ

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