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性能とコストのバランスがとれたフラッシュストレージ「NetApp AFF Cシリーズ」

2023年03月10日 14時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2023年2月9日、ネットアップはフラッシュストレージの新ラインナップ「NetApp AFF Cシリーズ」とエントリーモデルの「NetApp AFF A150」を発表した。米ネットアップのジョージ・ポンボリス氏が製品概要を説明した。

米ネットアップ シニアディレクター ONTAPハードウェア プロダクトマネージメント ジョージ・ポンボリス氏

ティア1の用途に耐えうるフラッシュストレージ

 新ラインナップのCシリーズは、「AFF C250」「AFF C400」「AFF C800」の3製品。遅延・パフォーマンス、容量を求めるとコストが上がるという既存のフラッシュストレージの課題解決を目指した。

 ハイブリッドフラッシュのFASは5~10ミリ秒の遅延だが、コスト的には安価。一方、ハイパフォーマンスを追求したAFF Aは、1ミリ秒の遅延だが、高価だ。今回発表されたAFF Cシリーズは、オールフラッシュでありながら、両社の中間にあたる価格と2~4ミリ秒の遅延を実現する。

フラッシュストレージの選択肢を増やす

 AFF Cシリーズのカバーする2~4ミリ秒の遅延では、メディアのレンダリング、AIや機械学習、データレイク、ファイルストレージ、ミッションクリティカルなデータベース、VMwareなどティア1と呼ばれるワークロードに対応する。

 CシリーズはすべてHA構成となっており、AFF C250は2Uサイズで最大有効容量は2.9PB、AFF C400は4U+2Uのドライブシェルフで最大有効容量は5.9PB、AFF C800は4Uサイズで最大有効容量8.8PBとなっている(5:1の容量効率化を含む)。最大24ノードまでのクラスター化が可能で、無停止で容量を拡張できる。

 AFF C250シリーズと既存のSASドライブストレージを比較とすると、ラックスペースは98%削減、消費電力も97%を削減できるという。密度としては50倍になるという。

ONTAP Oneで必要な機能はすべてビルトイン

 AFF Cシリーズでは、ソフトウェアとしては包括的な機能を誇る「ONTAP One」をバンドルしている。AFF AシリーズではONTAP Baseライセンスに必要な機能をオプションとして追加する必要があったが、ONTAP OneではNAS、SAN、NVMe、オブジェクトなどの各プロトコル、データ保護、ハイブリッドクラウド、セキュリティ機能をすべてビルトインされる。

AFF Cシリーズの特徴

 特にセキュリティに関しては、アクセス制御やデータ保護、ランサムウェア保護、ファイルシステムの監査、ゼロダウンタイムのデータ保護、WORMデータ保護、改ざん防止機能付きのスナップショットなど、30以上の機能が搭載されている。

 さらにパブリッククラウドサービスとの連携にも対応。AWS、Azure、Google Cloudなどのサービスと連携し、ディザスタリカバリ、バックアップ、階層化管理(ティアリング)、キャッシュなどが可能になっており、ハイブリッド・マルチクラウドの管理も可能になっている。

3年ごとの新規購入が必要ないNetApp Advanceも利用可能に

 同時に発表された新製品の「AFF A150」は、既存のAシリーズのエントリーモデル。基本は従来のAFF C190モデルのリフレッシュ・アップデート版で、対応ストレージを増やし、拡張シェルフも利用機能になった。

 なお、2月9日にはストレージ保障プログラム「NetApp Advance」が発表されている。このうち「NetApp Storage Lifecycle Program」は6年間契約のユーザーは3年に1度コントローラーを無償提供するというプログラムで、1回の購入で保証と更新を継続できる。さらに「NetApp Cloud Advantage Program」では、パブリッククラウドへの移行を前提にコントローラーを下取りし、下取り金額をクラウドのクレジットとして付与することができる。

 ベゼルデザインも約10年ぶりに一新される。AFFのみならず、FASも対象で、6月以降に順次出荷される予定となっている。

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