このページの本文へ

早稲田大学など、初期宇宙に存在した赤い渦巻銀河を発見

2022年12月28日 06時57分更新

文● MIT Technology Review Japan

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

早稲田大学などの共同研究チームは、これまで確認されていなかった特異な「赤い渦巻銀河」を発見。さらに、それが80億年から100億年前という初期の宇宙に存在することを明らかにした。

早稲田大学などの共同研究チームは、これまで確認されていなかった特異な「赤い渦巻銀河」を発見。さらに、それが80億年から100億年前という初期の宇宙に存在することを明らかにした。 研究チームは、2022年に運用を開始した米国航空宇宙局(NASA)の「ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」が世界に向けて初公開したデータから、これまでの観測では捉えられていなかった特異な銀河である「赤い渦巻銀河」に注目。最も赤い色を持つ2つの銀河(RS13、RS14)について、JWSTで得られた測光データや分光データを分析した。 その結果、これらの赤い渦巻銀河が80億年から100億年程度過去の初期宇宙に存在することと、RS14は星形成をしていない年老いた銀河であることが明らかになった。年老いた渦巻銀河は、現在の宇宙では極めて珍しいが、JWSTの初期観測データというほんの小さな領域の観測から発見されたことから、遠方宇宙ではこれまで考えられてきたよりも多く存在する可能性があるという。 赤い渦巻銀河はハッブル宇宙望遠鏡やスピッツァー宇宙望遠鏡でも検出されていたが、詳細な形態や性質についてはわかっていなかった。今回、スピッツァー宇宙望遠鏡の10倍の空間分解能、50倍の感度をもつJWSTによって詳細な形態が初めて明らかになった。研究成果は、アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)に、2022年10月21日付けで掲載された

(中條)

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ