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FIXER cloud.config Tech Blog

Power Automate for Desktopコネクタを使ってGUIアプリの操作を自動でトリガーする!

2022年12月22日 10時00分更新

文● 佐藤 晴輝/FIXER

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 本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「Power Automate for Desktop コネクタを使ってGUIアプリの操作を自動化する!」を再編集したものです。

 こんにちは、さとはるです。

 今回はWindows環境にRPA(ロボティック プロセス オートメーション)を手軽に導入できるサービスである「Power Automate for Desktop」と、ウェブ上であらゆるオペレーションを自動化できる「Power Automate」、必要な時だけマシンを利用できる「Azure Virtual Machine」の3つを組み合わせて「自動化」の限界に挑んでみたいと思います。

流れ

・Azure Virtual Machineを立てる
・VMにPower Automate for Desktopをインストールする
・マシンを登録する
・デスクトップフローを作成
・クラウドフローからデスクトップフローを呼び出し

Azure Virtual Machineを立てる

 特に変わったことはしないので割愛します。

 OSはWindows、冗長化も不要でお願いします。

 AADユーザーにすると後の手順が変わる可能性がありますので、ユーザー名とパスワードでのログインで作成した前提で進めます。

VMにPower Automate for Desktopをインストールする

 公式のリファレンスを見つつダウンロード&インストールしましょう。

 途中のオプションは基本的にはお好みで構いませんが、machine-runtimeみたいなやつはクラウドフローへの接続に必要なのでチェックしてください。

 ここでチェックし忘れても後から追加でインストールすることも可能です。

 Power Automate for Desktopを使うユーザーのアカウントでログインします。

 Power Automateクラウドフローを作成するアカウントだとスムーズだと思います。

 また、このアカウントは個人アカウント不可なので何らかの組織のアカウントを使いましょう。

マシンを登録する

 今Power Automate for DesktopをインストールしたVMをクラウドフローから呼べるように設定をします。

 VM上でPower Automate for Desktopの設定を開き、マシンの名称を確認します。

 make.powerautomate.comを開き、[データ]→[接続]→[新しい接続]とクリックし、[Desktop flows]を選択します。

 設定は以下のようにします。

設定項目名
設定内容
Connect           Directly to machine
Machine or machine group <確認したマシンの名称>
Domain and username   <VMにログインするときのユーザー名>
Password          <VMにログインするときのパスワード>

 コレでVM上のPower Automate for Desktopをクラウドフローから呼び出す準備が整いました。

デスクトップフローを作成

 VM上で動かしたいデスクトップフローを作成します。

 この作業自体はPower Automate for Desktopを使うユーザーのアカウントが一緒であればVM上でなくとも作業可能です。

 今回は例として「ペイントを開いて画面全体のスクリーンショットを保存する」という動作を自動化してみました。

クラウドフローからデスクトップフローを呼び出し

 それではいよいよデスクトップフロー呼んでみます。

 [Desktop flows] コネクタを[デスクトップ用Power Automateで構築したフローを実行する」アクションを追加します。

 右上の[・・・]をクリックし、マイコネクションから先ほど追加したVMの接続を選択します。

 [Desktopフロー]のドロップダウンにはこのアカウントが持っているデスクトップフローが表示されるので、実行させたいものを選択しましょう。

 [実行モード]は[非アテンド型(サインアウト後のコンピューターで実行)]を選びます。

 注釈にもありますが、非アテンド型はサインアウトされていることが前提のため、もしRDP等で繋ぎっぱなしの場合はログアウトしておきましょう。

 また、アテンド型・非アテンド型問わずVMの電源自体が入っていない場合は実行できないのでご注意ください。

 さっそく実行してみます。

 無事動いてそうですね。

 VMの中を確認してみましょう。

 無事にスクリーンショットが取れてそうです。

 この画像からもわかりますが、非アテンド型で実行した場合には画面サイズが1024×768ドットになるようなのでご注意ください。

まとめ

 クラウドフローからデスクトップフローを呼び出すことでAzure VMの操作を自動化することができました。

 CLIで操作できるツールならいくらでも自動化する方法がありますが、GUIを操作する必要がある場合にはRPAに頼らざるを得ない時があります。

 Power Automate二種を組み合わせることで、GUIの自動操作をシステムに組み込むことも可能になります

 今回は使っていませんがクラウドフローからデスクトップフローへパラメーターを渡して実行することも可能です。

 文字通り無限の可能性を持つデスクトップフローコネクタを使いこなして行きましょう!

 本記事が少しでも誰かの手助けになれば幸いです。

佐藤 晴輝/FIXER
フロントからバック、ネットワークまである程度触れるガジェットオタクです。
好きな言語はC#でIoTと画像処理が得意です。

[転載元]
 Power Automate for Desktopコネクタを使ってGUIアプリの操作を自動化する!

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