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スタートアップのSynspectiveとUbieもゲスト出席、プログラム活用で得られたメリットを語る

Google Cloud、リニューアルしたスタートアップ支援プログラムの強化点を紹介

文●大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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Ubie:サービスの成長に合わせて柔軟に拡張できるメリットを享受

 2017年創業のUbie(ユビー)は、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というテーマを掲げる医療AIスタートアップだ。一般生活者向け(toC)には身体の症状から適切な受診先や関連する病名を調べられる“症状検索エンジン”アプリの「ユビー」を、また医療機関向け(toB)には患者ごとにAIが最適な質問を自動生成するWeb問診票「ユビーAI問診」などを提供している。

Ubieでは一般生活者向け、医療機関向けのビジネスを展開

 Ubieの坂田純氏は、「医療機関向けサービスの提供を開始して、実際にいくつかのクライアントに導入いただいた後(2018年)に、Google Cloudへ移行した」と説明する。他社クラウドとも比較検討してGoogle Cloudを選択した理由は「主に3つあった」という。

 「1つはUbieのプロダクトがデータ中心のプロダクトであるということ。先行してBigQueryを利用しており、Google Cloudでデータ基盤を構築してサービス提供することを考えた。また、Google Cloudがマネージドで提供するAI/MLサービスと自社独自開発のものを組み合わせることで、より早くプロダクトが開発できる。さらに今後のグローバルな展開を前提にすると、Google Cloudを使うことでそれがスムーズにできると考えた」(坂田氏)

UbieがGoogle Cloudを選択した理由

 Google for Startupsクラウドプログラムは、2018年から2019年にかけて利用した。提供されたクレジットにより初年度のクラウドコストをほぼすべてカバーできたほか、医療ドメインのスタートアップということで行政ガイドライン(3省2ガイドライン)準拠への支援、さらにテクニカルサポートも受けたという。

 「われわれがGoogle Cloudを選択した段階では、公式にはまだ(3省2ガイドラインを)サポートしたというアナウンスはなかったが、事前に協議をして問題ないことを確認できた」(坂田氏)

Ubieでは初年度のクラウドコストをほぼすべてクレジットでまかなえたという。「スタートアップの初期フェースではコストが気にところだが、そのあたりをカバーできた」(坂田氏)

 Google Cloudへの移行後、複数のプロダクト開発や海外展開をより柔軟にできるように継続的な改善も行っているという。最近では東京都医師会との連携による都内の発熱外来対応医療機関(約2000件)の検索機能、広島県三原市における地域医療のデジタル活用支援にかかる連携協定などを発表している。toCサービスのユビーは月間利用者が500万人を突破し、今年4月には米国で英語版の同サービス(ベータ版)をローンチしている。

UbieにおけるGoogle Cloud移行後のビジネス拡大事例

 「Googleのスタートアッププログラムでは、単純にクレジットでクラウドの運用費用、検証評価費用がカバーされるだけではなく、テクニカルサポートで中のエンジニアの方とかなり深い議論ができる点がかなり良かった。またプログラムの終了後も、引き続きしっかりとサポートいただけているので安心できる。クラウドは“一度構築したら終わり”ではなく、サービスユーザーの増加などに応じて適切にアップデートする必要がある。Google Cloudの製品は、スタートアップが小さく試すところから始められて、大きな規模になっても同じ製品を使い続けられることが大きなメリットだと思う」(坂田氏)

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