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Core i7-12700HとRTX 3070 TiにDDR5メモリー、Gen 4 SSDと性能にも妥協のない1台

プロもガッツリ使える大画面17.3型&sRGBカバー率約100%! クリエイター向け高性能ノートPC「raytrek R7-AA7T」をチェック

2022年06月30日 13時00分更新

文● 周防克弥 編集●八尋/ASCII

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「raytrek R7-AA7T」

 サードウェーブが展開するクリエイター向けパソコンブランド「raytrek」から、17.3型ディスプレーを採用するハイエンドノートパソコン「raytrek R7-AA7T」が登場した。クリエイター向けとはいえやはりモバイルを考慮するノートパソコンは、15.6型を採用するモデルがメインストリームで、最近はCPU単体の性能が大きく向上したこともあり、よりモバイル重視の14型も増えてきている。

 しかし、モバイルを重視すると、ディスプレーの実サイズや消費電力、耐放熱性など、どうしても生産性をある程度犠牲にしなければいけない部分が出てきてしまう。ある程度使い方を限定すれば実用性を下げずに運用できるが、最新のCPUやGPUなどせっかくパフォーマンスの高いパーツが出てきているので、それらを採用した本格運用可能なハイパフォーマンスノートパソコンを望む声も少なくはないだろう。

17.3型の大画面でsRGBカバー率約100%
薄型筐体で持ち運びも比較的楽

 今回取り上げる「raytrek R7-AA7T」は、17.3型と大きなディスプレーを採用することで視認性が高く、解像度ではない実際の作業領域を大きくすることができるため、モバイルマシンと比べると大幅に生産性が向上する。

 CPUにはインテルの最新モデルの第12世代Coreプロセッサー「Core i7-12700H」を採用。GPUにはNVIDIAの「GeForce RTX 3070 Ti」が組み合わされており、性能面においても妥協せず、かつ場所を問わずにハイパフォーマンスを発揮できる構成になっている。

 なお、試用機には16GBのDDR5メモリー(最大64GBまで拡張可能)にストレージはPCIe4.0接続の1TB SSDが搭載された基本モデルで、26万4980円とかなりかなり魅力的な価格だ。

 また、クリエイター向けノートパソコンのスペックで最重要視されるのがディスプレーのスペックだ。デスクトップパソコンと違い、気軽にディスプレーを入れ替えることができないため、ノートパソコンの場合はCPUやGPUの性能よりも、まずはディスプレーの性能をチェックする必要がある。

 raytrek R7-AA7Tに採用されているディスプレーの解像度は2560×1440ドットで、フルHD(1920×1080ドット)よりも一回り広く表示ができるので、コンテンツ制作ではかなり余裕のある作業領域が確保できる。また大きいだけでなく、sRGBカバー率約100%と広い色域を持っているため、出先やロケなどでも場所を問わずに正確な色のチェックが可能だ。

 今回はraytrek R7-AA7Tの使い勝手を確認するべく、まずは外観のチェックから行なっていこう。

キーボードの左右にスペースがあるのでかろうじて17.3型だと判断できるが、見た目はスリムノートそのものだ

 17.3型ノートパソコンと聞くだけで大きな印象を持つが、実際に見るとたしかにディスプレーは大きいのだが、本体がかなり薄くなっており、狭額ベゼルデザインも相まってそれほど大きくは感じない。本体サイズはおよそ幅395×奥行き262×高さ25mmで、15.6型ノートパソコンと比べると一回り大きいが、厚みは一般的な15.6型とそれほど変わらない。

天板にはロゴの類はなく、一面艶消しのブラックで統一されている

 重さはさすがに約2.3kgとそれなりの重さがあるので、日常的に持ち歩くにはある程度の覚悟が必要にはなるが、凹凸が少なく薄くなっているので、リュックに入れる際の収納性は高い。

フロント側はイルミネーションが備わっている以外にインターフェースはない

Thunderbolt 4やUSB 3.2 Gen2でデータ転送が高速
最大3画面出力も可能

 インターフェースは十分な数が用意されている。背面にはThunderbolt 4兼用のUSB Type-Cがあり、外部ディスプレー出力も可能なほか、HDMI 2.1端子も備わっているため、最大で3画面への出力が可能。これにより、作業環境を大幅に拡張することが可能だ。

背面の左右には大きく排気口が開いている。インターフェースは左からThunderbolt 4(USB Type-C)、HDMI 2.1、有線LAN、電源入力端子が並ぶ

左からUSB 3.2 Gen2 Type-Aとマイク入力端子、ヘッドフォン出力端子が並ぶ

左からmicroSDカードリーダー、USB 3.2 Gen1 Type-A×2を備えている

 ほかの3基のUSB端子もすべて3.2対応なのは、うれしい仕様だ。ただしGen 2対応なのは左側1基で、右の2基はGen 1なため、接続する機器には注意が必要だ。外付けのストレージがHDDの場合はGen 1でもGen 2でも問題はないが、SSDだと転送速度に差が出る場合がるので、遅く感じたら接続ポートを変えるといいだろう。

 また、ヘッドフォン端子とマイク入力端子は分かれている。自身がスマホ用として使っている4極プラグのマイク付きヘッドフォンは、ヘッドフォンとしか認識しなかったため、テレビ会議で外付けのマイクを使いたい場合には、別途インターフェースかマイクを用意しておいたほうがいいかもしれない。

ディスプレー上部にはWindows Helloに対応したWebカメラが備わっている

 キーボードはテンキー付きで、「無変換」キーこそないものの、キーサイズはデスクトップ用のキーボードとほぼ同等のサイズが確保されているので、入力操作はしやすかった。キークリックは軽めで静かな印象なので、静かな環境での作業やテレビ会議での打ち合わせ中にメモを取る際などにありがたい仕様だ。

テンキー付き日本語98キー。英字配列と日本語配列が混ざったような、ちょっと見慣れないキー配置となっている。キー同士の隙間が狭いデザインで、見た目はスッキリしている

キーボードとフロントのライトはエリア毎に色を変えることができる。単色で統一することももちろん可能だ

電源ボタンの左隣りにはパワーモードの切り替えスイッチがある

キーボードの下付近は吸気口を兼ねていてスリットが多く開いている。ゴム足の高さがあまりないため、スリットを塞がないように注意しようる

 唯一気になる点として挙げるとすれば、カードリーダーがmicroSDカード専用な点。とはいえ、USB端子が豊富なので、拡張アダプターを用意すれば問題ない。筆者は普段14型と15.6型のノートパソコンを使うことが多いが、17.3型のディスプレーは作業性が格段に上がり、デスクトップパソコンと同じような感覚で利用することができた。内蔵の高色域ディスプレーのおかげで、最終確認に外部ディスプレーを必要とすることも少なくなるので、撮影のワークフローに大きく影響が出そうだ。

 次回は実際にどれだけの性能なのかを確認するため、各種ベンチマークテストを実行してみようと思う。

raytrek R7-AA7Tの主なスペック
CPU Core i7-12700H(2.3GHz~最大4.7GHz)、14コア/20スレッド
グラフィックス GeForce RTX 3070 Ti
メモリー 16GB DDR5(8GB×2、PC5-38400)
ストレージ 1TB Gen4 NVMe SSD
ディスプレー 17.3型(2560×1440ドット)、リフレッシュレート165Hz、sRGBカバー率約100% (sRGB比約103%)/AdobeRGBカバー率約76% (AdobeRGB比約77%)
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(2.5GBASE-T)、無線LAN(インテル Wi-Fi 6 AX201NGW、IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.2
インターフェース UBS 3.2 Gen2、USB 3.2 Gen1×2、Thunderbolt 4(Type-C)、マイク入力、ヘッドフォン出力、HDMI 2.1、microSDカードスロット
内蔵カメラ HD画質Webカメラ、Windows Hello対応
サイズ/重量 およそ幅395×奥行262×高さ25mm/約2.3kg
OS Windows 11 Home(64bit)

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