このページの本文へ

サブスク型「F-Secure Elements」などが好調で成長を牽引するB2B部門

エフセキュアがB2B向け新ブランドを来年始動、成長加速を狙う

2021年11月22日 07時00分更新

文● 谷崎朋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 フィンランドのセキュリティ会社、エフセキュア(F-Secure)は2021年11月15日、B2B向け製品/サービスの新ブランドを立ち上げると発表した。これまではB2C/B2Bの双方で社名と同じ「エフセキュア」ブランドの製品/サービスを展開してきた。新ブランド名は、2022年2月に米サンフランシスコで開催予定の「RSA Conference」で公式発表を予定。併せて、欧州に始まり、日本含む各国でパートナーおよびメディア向けロードショーも開始する。

B2B向け製品/サービス新ブランド(ブランド名未公表)のポートフォリオ

 新ブランド立ち上げの背景には、B2B部門の好成長がある。2021年第1四半期から第3四半期におけるグローバル全社の売上は1億7460万ユーロで、前年比8%増。成長自体はB2C部門、B2B部門いずれの領域も顕著な伸びを見せたが、B2B部門では、2020年と同程度の成長が見込まれるB2C部門を上回る約10%の伸びを予測。同社の成長を牽引するB2B部門のさらなる飛躍を後押しするため、コンシューマー向けアンチウイルス製品のイメージが定着する「エフセキュア」ブランドから切り離して、新ブランドを立ち上げる判断となった。

2021年第1四半期から第三四半期におけるグローバル全社の売上

過去5年間でB2C/B2Bの売上が逆転し、B2B部門が成長を牽引するようになっている

 同社の中小/中堅企業の顧客は「MSP、MSSP、VARなどのパートナー企業を通じて、短期契約で使用量に応じたサブスクリプション形式のマネージドサービスとして利用する傾向が強い」と、同社プレジデント兼CEOのユハニ・ヒンティッカ氏は説明する。

 特に、今年5月にリリースしたサブスク対応のクラウドネイティブサービス「F-Secure Elements」は好調で、自社に最適な組み合わせをサブスクリプションモデルで選べることから、「エフセキュアの製品/サービスを複数導入する顧客が、全体シェアで2018年の2%から2021年には14%に増加した」と説明。AIベースのクロスセル支援や専門家へのエスカレーション、コンピテンシー開発などで、パートナーのさらなる収益化を支援している。

F-Secure プレジデント兼CEO ユハニ・ヒンティッカ氏

 またB2B市場における今後の戦略についてヒンティッカ氏は、現在同社が強みを持つ金融業界に加えて、テクノロジー、通信/コミュニケーション、製造業に対して特化型のソリューション提供を展開したいと語った。

今後の戦略

■関連サイト

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード