本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「IoT通信のトラブルシューティングを迅速化する、診断機能を提供開始」を再編集したものです。
はじめに
こんにちは、Customer Reliability Engineer(CRE)の三國です。
ソラコムのCREはお客様がSORACOMを安心して利用できるよう、お客様への技術サポートやドキュメント整備、ツールの開発といった活動をしています。技術サポートではお客様から問い合わせ頂いた問題を一緒に解決し、問題から得た知見をもとにドキュメントへの反映やより使いやすくするためのツール開発をしています。
技術サポートへのお問い合わせの中で特に多いのが、「デバイスがオンラインにならない」「サーバーまでパケットが送信されない」といった接続や通信に関する問題です。ソラコムには GPSマルチユニットSORACOM EditionやSORACOM LTE-M Buttonなどデバイスの設定が不要なデバイスも多くございますが、USBドングルや開発ボードなどのデバイスをお客様側で用意・設定してSORACOMと接続するケースも非常に多いです。特にはじめてセルラーモジュールを自社製品に組み込む場合はセルラーネットワークへの接続に試行錯誤することが多くあります。また、実運用に入ってから問題が発生したような場合は、少しでも早く問題を切り分ける必要があります。
このようなシーンにおいて、SORACOMではユーザーコンソールからセルラーセッションの作成・削除やデータ通信量の履歴を取得でき、トラブルシューティングにも役立てていただいています。またSORACOM Napterによるリモートアクセス、SORACOM Peekによるパケットキャプチャ、PING送信サービスによる疎通確認といったオンデマンドに利用できる調査ツールも多く用意しています。
しかしながら、特に新しくSORACOMを利用される方はどこを調べれば効率的に問題を解決できるかの切り分けができず、サポートへお問い合わせ頂くといったこともございました。
診断機能のご利用方法
この度ソラコムより、診断機能を提供いたします。当機能では、接続や通信に関する問題が発生した際に調査すべきポイントを診断・提案します。利用方法はとても簡単で、問題が発生しているSIMを選択して [操作] > [診断] を選択するだけです。もし過去時点について診断したい場合は、日時の範囲も指定できます。以下の動画をご覧ください。IMEIロック機能で許可しているのとは別のデバイスから接続しようとしてエラーになったのがわかります。
上記の動画のように、どこに問題があるのか、または通信には問題がないのかが一目でわかるようになっています。また、問題箇所が分かった後にはユーザーコンソールのページや過去の問い合わせから作成されたトラブルシューティングガイドをもとに対処できます。診断では「オンラインだったか」「データ通信量があったか」といった基本的なものから「IMEI ロックでブロックされていなかったか」「電波強度が悪い場合に多く出力されるMODIFIEDのセッションイベントがなかったか」といったサポート問い合わせ時にCREがよく見るポイントまで調査されます。
なお当機能は無料で利用できます。
診断機能のユースケース
この診断機能により、お客様はサポートへ問い合わせることなく、ご自身のタイミング・ペースで問題解決が可能となります。新しくSORACOMを利用される方や、運用フェーズにて現場の担当者が調査される際などに活用いただければと思います。また当機能はAPIからも利用できますので、監視に組み込んでいただくことも考えられます。
今後も診断機能の調査ポイントや精度、提示されるドキュメントはCREチームにより継続的にアップデートされ、いずれはお問い合わせを起票するのと変わらないクオリティーのサポートをセルフサービスで体験できるように努めます。当機能により問題が少しでもより迅速に解決され、お客様がIoTソリューションの開発に集中できればと願っています。
CREをはじめソラコムでは今後もお客様が安心して利用できるプラットフォームづくりに努めてまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
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