外食は基本倹約だが……
トレンドに敏感な10代女子は、どのようにして外食する店を選んでいるのだろうか。10代女子を対象にしたマイナビティーンズラボの外食事情に関する調査(2020年4月)を見てみよう。
10代女子は、そもそも可処分所得は少なめだ。その分、外食頻度も「1ヵ月に1回程度」が28.8%、続いて「週1回程度」が27.6%など、それほど多くはない。外食で何を食べに行くか聞いたところ、「ファミレス」が60.1%、続いてスシローなどの「寿司」が46.0%などとなった。安価で友達と気軽に雑談できるところが支持されているようだ。
一方、外食に行くとき、事前に調べるジャンルの店について聞いたところ、「カフェ」が62.0%、「韓国料理」が27.0%、「オムライス」と「ファミレス」がそれぞれ18.4%などとなった。
カフェは内装やドリンク、スイーツなどもSNS映えするものが多い。また、一人かそれとも友達とおしゃべりするかなど、目的に合わせて調べて行く。韓国料理など韓国モノは流行しているため流行りの店を選ぶ。オムライスなどのメニューもSNS映えで選ばれているのだ。
行きたい店はインスタで発見・検索
では10代女子は、外食に行くとき、何を使って調べるのだろうか。最多は「インスタ(おすすめ欄で出てきたもの)」(49.7%)。じつは、普段からInstagramで検索していると、好みの店がおすすめとして表示されるようになる。「Instagramを使い込むとおすすめがマジで使える」とある女子高生は言う。「好みを知ってくれてて大体ツボだし、気になった店に行ったこともある」。
続いて、「食べログ」(33.1%)、「インスタ(ハッシュタグ検索)」(30.7%)となった。食べログは予算や場所、人数によって店が検索でき、ネット予約もできるところが使いやすいようだ。また、行きたい店がすでに決まっているときにはハッシュタグ検索をしたり、おすすめ欄に出てきた店や料理などをハッシュタグ検索して再確認したりするという。
先ほどの女子高生は、「行くなら映える店のほうがいいし、人気のメニューとかも知りたい。行くなら美味しいだけじゃなくて、インスタにかわいい映える写真が投稿できるほうが絶対にいい」。
10代女子は、食事は安価で友達と気軽におしゃべりできるところを選ぶ一方で、カフェはインスタ映えする店やメニューをInstagramでしっかり調べてから行く傾向にある。大人世代も真似して使うことで新しい店やメニューとの出会いが期待できるかもしれない。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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