今回レビューするスマートフォンは「Essential Phone PH-1」だ。Essential Phoneは、Androidの生みの親と言われるアンディ・ルービン氏が手掛けたことで注目を集めたモデルだ。アメリカでは2017年9月に発売され、2018年4月27日からは日本からも購入できるようになった。さらに、9月からはMVNOのIIJmioと楽天モバイルも取り扱いを始めた。
筆者はIIJから借りた端末で動作確認をした。ちなみに、Essential社のウェブサイトでのEssential Phoneの価格は499ドル(約5万6600円)。IIJmioでは、4万6000円(税別)で、1950円×24回の分割払いもできる。
では、さっそく、1週間ほど使ってみた率直な感想を述べさせていただきたい。
硬派なデザインとチタンの質感は男性向け
Essential Phoneの最大の魅力はデザインだろう。昨年発表された際には、狭額縁でノッチがあるスマホが少なかったので「スマホの画面はここまで広くできるのか!」と驚いた。その後、iPhone Xが発売されて以降、ノッチデザインは大ブームになったので、いま初めてEssential Phoneを見る人は、さほどのインパクトを感じないだろう。
しかし、実機に触れると、ほかのスマホとはひと味異なる質感に驚かされた。サイドのフレームにチタン合金、背面パネルにセラミックを用いているとのことで、サイズのわりには重さがあり、リッチな質感と堅牢性を両立させている。多くの男性が好むデザインと質感ではないかと思う。
あえて「多くの男性が…」と限定したのには理由がある。筆者のオフィスには若い女性スタッフが2人いるのだが、彼女たちにEssential Phoneを触らせたところ「角張っていて持ちにくい」「ちょっと古いデザイン」と、いまひとつ評判がよくなかったからだ。Essential Phoneは “男のスマホ” といえるかもしれない。
ディスプレーは液晶で5.71型。アスペクト比は19:10で、解像度は2560×1312ドット。高精細な表示を楽しめ、小さな文字もクッキリと表示される。3辺狭額縁ということもあり、迫力も感じられる。ただし、常にノッチだけを避けて画面いっぱいに表示されるわけではなく、アプリによっては、ステータスバーの部分が黒帯となり、フツーのスマホのように表示される。
また、縦向きで画面いっぱいに表示する場合でも、横向きにするとノッチ部分が黒帯に隠れたりもする。横向きにした場合に左右に手でつかめる部分を設けるという配慮かもしれないが、せっかくのノッチデザインがもったいないようにも感じた。
戸惑いながら、でもすぐに慣れた「Android 9」
Essential Phoneは、メーカーがほとんどカスタマイズしない “Pure Android” を搭載していることもセールスポイント。新しいOSがリリースされた場合に、素早くアップデートできることが利点だが、このEssential Phoneもいち早く「Android 9」を使うことができる。
Android 9は、Android 8(Oreo)から大きく操作性が変わっているわけではないが、従来の感覚で触れていると、操作がわからなくなったり、操作を誤ってしまうこともあった。
たとえば、Android 9では、「◁ ○ □」で表示されたナビゲーションキーがなくなり、画面の下にホームボタンだけが小さく表示される。これをタップするとホーム画面に戻り、上になぞると履歴画面、さらに画面上部まで引き上げるようにスワイプするとアプリ一覧画面が表示される。使い始めた当初は、アプリ一覧画面を出すつもりが、履歴画面が出てきて、戸惑ったりもした。
また、Android 8では履歴ボタンの長押しで起動した分割画面が、履歴画面を表示してから、サムネイル画面の上にあるアイコンをタップして「分割画面」を選択する、というやり方に変わっていた。
なお、通知パネルやクイック設定パネル、「設定」画面などは、デザインは変わったものの、操作に迷うことはなかった。タッチパネルのレスポンスもよく、なめらかな操作感を楽しめている。
動作性に不満はないが
電池は物足りないかも!?
先述の通り、Essential Phoneは発売から1年が過ぎているモデルだ。しかし、ハードウェアのスペックをチェックすると、新製品と言ってもおかしくない。SoCはSnapdragon 835(2.45GHz×4コア + 1.9GHz×4コア)、メモリー4GB、内蔵ストレージ128GBという構成。現在でも「ハイエンド」と呼べる仕様だ。
「AnTuTu Benchmark」アプリでベンチマークを測定したところ、「201350」という高スコアをマークした。マルチタスク操作やゲーム、動画編集などを多用するユーザーも安心していいだろう。
ただし、バッテリーは使い方によって1日持たない可能性もある。このサイズ感の端末としては十分な3040mAhのバッテリーを内蔵しているが、ウェブを見たり、写真を撮ったりすることが多い日には、夜に電池残量が厳しい状況になった。ヘビーユーザーはモバイルバッテリーの携帯が必須となるだろう。
この連載の記事
-
第486回
スマホ
折りたたみなのに薄い! 高性能で薄型軽量ボディーのvivo「X Fold Pro」 -
第485回
スマホ
デザイン優秀でおサイフ対応の「Nothing Phone(2a)」が5万円以下なのは間違いなく買い! -
第484回
スマホ
ハイネケンがSNS不可な世界一退屈なケータイを発売! デジタルデトックスに最適だ! -
第483回
スマホ
カメラスマホ「nubia Z60 Ultra」は35mmカメラで歪まず撮影が楽しい -
第482回
スマホ
6万4000円の低価格折りたたみスマホ「Blackview Hero 10」は普段使いなら問題ナシで使いやすい -
第481回
スマホ
「ROG Phone 8 Pro」は性能が良いにもほどがある! 日常使いもゲーミング機能も超充実 -
第480回
スマホ
強力なAI機能を備える「Pixel 8a」、1万円の値上がりもコスパは健在 -
第479回
スマホ
祝日本上陸! ライカカメラ搭載「Xiaomi 14 Ultra」ならエモい写真が撮り放題だ -
第478回
スマホ
「Zenfone 11 Ultra」は大型化路線! それは多くのニーズを満たすスマホへの進化 -
第477回
スマホ
ゲーミングスマホの領域を超えた! カメラ性能も大幅強化のASUS「ROG Phone 8」 海外版を一足先にチェック! -
第476回
スマホ
ライカカメラらしい撮影がさらに磨かれた! 「LEITZ PHONE」が3になって再び登場 - この連載の一覧へ