水のように澄み切った色の「ビール」。みなさん、信じられるでしょうか? アサヒビールの研究開発本部は、透明な「クリアクラフト」を直営の4店舗で限定的に展開しています。第1弾は6月25日から発売され、予定の3000杯があっという間に完売したとのこと。第2弾は7月下旬から発売予定ですよ。
透明な「クリアクラフト」の味は??
ビールは美しく輝く黄金色!ほかにも、黒、茶、レモン色のようなものもありますが、少なくとも褐色系の色が何かしら付いている。そう思っていたので、衝撃を受けました。
色が透明で、はたして本当にビールらしい味がするのでしょうか? なお、アサヒのクリアクラフトは「クラフトビアテイスト」とうたった発泡酒であるため、酒税法的に「ビール」ではありません。ですが、ビール気分で飲むことが想定されていますよ。
お酒が好きな記者は、7月に開催されたメディア向け体験会に駆けつけ、味わってきました!
こちらがクリアクラフト。
まるで、ソーダのよう! 透明で、グラスの向こう側が透けて見えています。店員さん、私が酔っぱらっていると思ってビールの代わりにソーダを出してきたのかしら。……なんて、突っかかってはいけません。
さてさて、クリアクラフトは液体こそ透明ですが、泡がのっているのがポイント。やはりビアテイストとうたうなら、泡があってほしいものですよね。ただ、一般的な生ビールのように泡もちがいいわけではないようです。
顔を近づけるとビールならではの香りがします。ほんのり、甘い感じもします。
では、カンパーイ!
うん……。見た目は透明だけど、ビール系の味だ!! 視覚と味覚のアンマッチ。意外性ある体験で楽しい。
ほどよい苦みと発泡性の刺激の中にも、バナナやピーチのようなフルーティーな香り。ビアテイストとしてはけっこう甘いのですが、後味のキレがよくすっきり飲めます。全体的に軽やかで飲みやすいため、辛口のビールが苦手という人には好ましいのかもと思いました。
例えば、辛口でドライな「アサヒ スーパードライ」を想像して飲むと、違うと感じるかもしれません。ビアテイストといっても、ビールをジンジャーエールで割ったシャンディガフなどに近い味です。私は、1杯目はガツンとした「ビール」を飲むとして、2杯目以降にクリアクラフトをグビグビと勢いをつけて飲みたいなあ。
なんにせよ、透明なのにきちんとビールに寄せてきているのはエライ。
ちなみに、アルコール度数は5%。色素がないからと言ってアルコールが薄いわけではありません。グビグビの飲むとしっかり酔えます。良い(酔い)ですね。
なんで透明なの?
さっき書いたように、本来のビールは色素があるもの。それがなぜ「透明」になったのでしょうか?
実は、ビールの色味は「メイラード反応」によるものです。ビールのもとになる「麦汁」中にある麦芽由来のたんぱく質と糖は、熱をかけることによって、メイラード反応を起こし、これによって褐色の色味が生み出されます。
クリアクラフトは、麦芽の使用量を最低限にして副原料を中心にすることで、たんぱく質を除きメイラード反応を可能な限り抑えました。これが、透明な色味の秘密だそうです。
仕上げに、醸造酒と蒸留酒の両方をブレンドしつつ、最後にハーブや香辛料から抽出した成分を足して整え、すっきり爽快な味をつくりあげたとのこと。
透明飲料をつくろうとすると「脱色」という手段がありますが、脱色をすると発酵由来の味や香りが損なわれてしまいます。クリアクラフトは、脱色ではなく原材料の調整で透明さを実現した、というのが革新的なポイント。ブレンドも、醸造酒、蒸留酒をハイブリッドで織り交ぜたというのが特許出願中の新しい製法だそうです。
視覚と味覚の意外性で脳が驚く!
透明というとサントリーのノンアルコール「オールフリー オールタイム」もコンビニでよくみかけるようになりました。そちらも透明で、従来の「オールフリー」同様のビアテイストな風味です。透明だと、視覚と味覚にギャップがあり、脳が驚くというか、これまでにない新鮮さがあります。クリアクラフトも、お酒好きな人にとってかなり面白い体験になると思いますよ。
クリアクラフトは、現状はあくまでテスト販売として、アサヒ直営の4店舗で限定展開。8月末にはいったん販売を終了し、アンケートなどの結果をふまえ今後のブラッシュアップを検討するそう。製品化はまだ先なので、気になる人はぜひ店舗に足を運んでみてください。
(販売店舗)
・「BEER&SPICE SUPER “DRY”KITTE丸の内店」
東京都千代田区丸の内2-7-2
・「スーパードライ新宿」
東京都新宿区3-36-12
・「TOKYO隅田川ブルーイング」
東京都墨田区吾妻橋1-23-36アネックスビル 2F
・「BW STATION」
大阪府大阪市淀川区西中島5-15-5新なにわ大食堂
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