今回のことば
「自動運転によって、クルマそのものが変わる。クルマが家のような存在になり、『走るリビングルーム』になるかもしれない。そうなれば、これはパナソニックの得意分野。新たなビジネスが作れる」(パナソニックの津賀一宏社長)
米ラスベガスで開催されたCES 2017は、自動車メーカーからの発信が、例年以上に積極化したといえよう。とくに、日本勢からの発信が目立っていた点は注目したい。
日本勢では、日産自動車がCESに初出展したほか、ホンダが10年ぶりの出展。トヨタ自動車を含めて、日本の大手3社が初めて揃い踏みとなった。
トヨタは人工知能を活用し、人と対話するクルマ「コンセプト-愛i」を発表。ホンダもAI技術「HANA」を搭載した自動運転車のコンセプトカー「Honda NeuV」を発表し、日産自動車は「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」への取り組みを通じて、「シームレス・オートノマス・モビリティ(SAM)」と呼ぶ自動運転車に向けたシステムを開発することなどを発表。各社が近未来のクルマの方向性をアピールしてみせた。
こうした自動運転の技術を下支えするのが、IT/エレクトロニクスメーカーだ。
ホンダは、ソフトバンクとAI(人工知能)分野で共同研究を開始することを発表。日産自動車もDeNAと無人運転の開発を目的とした実証実験を国内で開始することを発表したほか、ルノー・日産アライアンスとして、米マイクロソフトとともにコネクテッドカーの開発と実用化を加速させることを発表。IT企業との連携を強めていることを示した。
また、フィアット・クライスラー・オートモービルズは、パナソニックと共同開発している「PORTAL」を展示。顔認証技術や車間通信機能、クルマと店舗との連携機能など、スマートモビリティー社会と次世代の車載技術にフォーカスしたコンセプトとしてこれを紹介。ここでは、最適な制御をするために、IBMのAIプラットフォームであるWatsonを利用していることも明らかにした。
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