縮小技術が進歩すると、従来なら持って歩けないようなモノも持って行けるようになる。その代表的なテクノロジープロダクトの例は、誰もが知っているUSBメモリーだ。
そして、スマートフォンやデジカメの進歩とともに、より大容量に、より小さく成長したSDメモリーカードも同様だ。
21世紀になって最大の変革は、持っていかなくても、スマホやPCさえあれば、どこにいても必要な情報をネットから入手することの可能な時代になったことだ。さまざまな意味で、情報データのポータビリティが加速度的に進化した結果、個人・法人を問わず「機密保持」への対応が極めて複雑、重要なこととなってきた。
世間の注目度の極めて高いネットは、機密漏洩への対策に関してもすでに多くの施策や対応がなされている。一方、企業内では使用禁止のところも多いUSBメモリーやモバイルHDDの多くは、個人的データの保管メディアとしての位置づけが一般的であり、購入者のコスト意識も高いゆえ、機密管理に対応していない商品が大多数だ。
筆者が多数コレクションしているUSBメモリー機器でも、ほんの一部の機器のみが“パスワードロック機能”などに対応しているが、数少ないそれらは、あくまで例外的商品だ。
データ量の多い少ないが機密性の高低を表わすわけではないが、昨今の持ち歩ける超軽量・低価格・大容量のHDDやSSDの存在は、ある面、極めて危険な存在だ。
そんな大容量HDD用のハードウェアによるパスワード・セキュリティー機能を搭載したHDD/SSDケースが発売されている。商品名は「シンプルPASS BOX 2.5」。USB 3.0とUSB 2.0をサポートするPCのUSBポートに接続する、外付け2.5インチSATA HDD/SSD用の専用ケースだ。
セキュリティーロックがかけられる
HDD/SSD用ケース「シンプルPASS BOX 2.5」
パッケージを開けると、上面にテンキーを搭載した本体ケースと専用USBケーブル、取説、訂正リーフレット、SSD用スペーサーが出てくる。
本体ケース上面には、テンキーと「C」(クリアキー)、「E」(エンターキー)、4つのLEDインジケーターがある。
本体ケース背面のカバー部分をスライドさせることで、HDDやSSDを収納するコンパートメントが露出する。筆者は、より大容量のHDDやSSDに換装したために余剰となった160GBのHDDと64GBのSSDを友人から譲り受けたので、その2つを利用することにした。
当然ながら、同サイズのHDDもSSDも物理的な設置方法やPCによる設定作業はまったく同じだ。最初に行なうのは、ドライブを専用ケースに入れ、専用ケーブル経由でPCのUSBポートに接続し、HDD/SSDを初期化し、PCから物理的な認識を行なわせる作業だ。
次ページへ続く、「やや分かりにくい取説と格闘するも無事ストレージを認識!」
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