仮想化環境向けのストレージを提供するティントリジャパンは3月5日、新たに「Microsoft Hyper-V」環境をサポートしたと発表した。従来の「VMware vSphere」「Red Hat Enterprise Virtualization」も含め、3種類のハイパーバイザ(仮想化環境)に対応し、単一のインタフェースから一元的に監視/管理できるようになった。
ティントリジャパンは、仮想化環境やクラウドに特化したハイブリッド構成のストレージ製品「Tintri VMstore」を開発/提供している。2015年1月には、ハイエンドモデルの「Tintri VMstore T800シリーズ」と最新OS「Tintri OS 3.1」をリリースしたばかりだ(関連記事)。
近年、仮想化環境での利用を意識し、複数のストレージを論理的に1つに束ねたり、逆に1つのストレージを複数の仮想マシンから効率的に利用できるようにするストレージ製品が増えてきた。また2月に発表された「VMware vSphere 6」では「VMware vSphere Virtual Volumes」がサポートされるなど、選択肢が豊富になりつつある。
その中でのティントリの特徴は、ストレージI/Oを可視化して学習し、アプリケーションやサービスを意識して、ワークロード単位でストレージを制御できることだ。「たとえば、アプリケーションによってReadが多いのかWriteに偏っているのか、シーケンシャルな処理なのかランダムなのか、I/Oの特性やニーズが異なる。それに応じて適切な仮想ボリュームを自動的に割り当てることができる」(米ティントリのテクノロジー担当VP、レックス・ウォルターズ氏)。
今回発表されたTintri OSの新バージョン(v3.1)では、Hyper-V仮想化環境をサポートした。これによって、「3つのハイパーバイザをサポートし、同じUIから変わらない操作で管理を行える」(ウォルターズ氏)。加えて、System Center Virtual Machine Manager(SCVMM)と連携してスナップショットやレプリケーションといった操作を行ったり、PowerShellやAPIを用いて処理を自動化するプログラムを書くことも可能だ。
発表会に出席した日本マイクロソフトの各務茂雄氏は、前職でプライベートクラウドの管理に当たっていた経験を踏まえ、「今必要とされているのは、サービスレベルに基づくサービスカタログを提供できるストレージだ。その意味で、モニタリングやマネジメントを含めて見ていくことができるティントリ製品は、ストレージのSLAをVM単位で可視化できる」と評価した。
ティントリはさらに、OpenStackのCinder用ドライバの開発を進めており、今後リリースする予定という。
同時に、VMware vSphereの最新バージョンである「VMware vSphere 6」と関連技術もサポートしていく。具体的には、VVOLのフルサポートはもちろん、VMware vRealize Operations、VMware Integrated OpenStackなどに対応する予定だ。これによって、VMware vCenter ServerからVVOLを介し、ティントリのストレージを運用管理することも可能になるという。