9月4日、アドビ システムズは7月に就任した佐分利ユージン代表取締役社長の就任記者会見を開いた。佐分利社長は約19年間マイクロソフトに在籍。エンタープライズサーバー製品マーケティングのゼネラルマネージャーとして同社を統括してきた。2006~2009年までは最高マーケティング責任者を務めたマーケティングに精通した人物だ。
アドビの「Adobe Creative Cloud」と「Adobe Marketing Cloud」は、コンテンツの制作から管理、計測、収益化までを最適化させる包括的なソリューション。Creative Cloudは2014年6月現在、世界で約230万件販売しており、ここ1年で280%の成長を見せている。日本企業でもコンテンツメーカーの多くがCreative Cloudを導入し、スクエアエニックスは最新版の導入により作業効率が大幅に上がったという。
Marketing Cloudは全米上位500社の企業のうち、64%が導入しているマーケティングツールだ。
佐分利社長にはマイクロソフトでの経験を生かしデジタルマーケティングの継続的な拡大が期待されている。日本でデジタルマーケティングの考え方自体が広まっていないが、Marketing Cloudを導入しているあらゆる業種で売上成長率を伸ばしている。ネット通販売上高の国内企業トップ3もMarketing Cloudを利用している。
「製品やサービスの品質だけではグローバル市場では勝ち抜けません。いかに需要喚起や価値をお客さまに伝えていくかが差別化の要因になります。 私のミッションはマーケティングを日本企業に広めること。そして、日本経済の活性化に貢献することだと考えています」(佐分利社長)
アドビの日本市場拡大の鍵はMarketing Cloudを販売するだけでなく、いかに日本企業にデジタルマーケティングの重要性を認識させるかにかかっている。