32インチで2万円台、50インチで約5万円と、中国において一気に買いやすい価格まで落ちてきたスマートテレビ。前回は、その普及率が急上昇しているという話とともに、筆者が購入した中国のメジャーテレビメーカー「康佳(KONKA)」の32インチスマートテレビのハードウェアについて解説した。今回は、そのスマートテレビの使い勝手をチェックしていく。本当にスマートに使えるのだろうか?
テレビを起動すると、康佳という企業名と「syncloud同歩雲電視」というロゴが表示され、その十数秒後、メニュー画面が出て操作できるようになる。
ただしすぐ動かせるわけではなく、最初数秒はスマートフォンでありがちなもたつきが確認できる。各種アイコンが並ぶメニューが表示されてから数秒後にアンテナ線からのテレビ画面が映る。テレビを見るには30秒はかかる感じだ。
初期導入アプリはてんこ盛り!
初期導入されているアプリはざっと以下のような感じだ。
- 動画配信サービス「BesTV」「影院」
- オフィスソフト「WPS Office」
- 文章ベースのニュースアプリ「新聞中心」
- チャットソフト「QQ」
- マイクロブログ「新浪微博」
- メールアプリ「電子郵件」
- ゲーム「遊戯天地」
- 音楽サービス「多米音楽」
- 天気・株価・ニュースが見られる「雲資訊」
- ウェブブラウザー「雲閲覧」
- 子供向けコンテンツ「少児社区」「快看学堂」
- 健康コンテンツ「雲健康」
- スマホをリモコン化する「多屏互動」
- クラウドストレージ「金山雲存儲」
- 検索「全網捜索」
- ローカルストレージの画像再生「本地図片」
- 同音楽再生「本地音楽」
- アプリストア「応用商城」
- 電卓「計算機」
- セキュリティーアプリ「金山衛士」
- ファイルマネージャー「文件管理」
- 支払「電視支付」「支付中心」
これら以外にも、専用のアプリストアを通じてさまざまな(審査の通った)アプリをインストールできる。
BesTVは有力な動画配信サービスのひとつ。中国産ドラマや映画、ハリウッド映画や韓流ドラマのほか、アニメでは「ちびまる子ちゃん」「クレヨンしんちゃん」「ドラえもん」「名探偵コナン」「イナズマイレブン」や、中国産アニメが無料で見られる。
テレビなどの大画面デバイス向けに作ったアプリもあるが、タブレット向けに作ったものを流用したものもある。
入っているアプリは例えば小米(Xiaomi)のようなラインナップに似て中国のスマートフォンっぽい。
テレビではあるがスマートテレビを目指している、というよりは、スマートフォンを大画面で、という方向性のように見える。Android搭載ながら、Google関係のアプリがないのも、中国のスマートフォンと同様だ。
(次ページに続く、「操作レスポンスはあまりよくないが……」)
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